ハリルJの秘密兵器になる?日本国籍を持つ大物新人が米国プロデビュー
USオープン杯は国内のトップリーグMLSからアマチュアのクラブチームまで参加できるトーナメント方式の大会で、優勝チームはCONCACAFチャンピオンズリーグの参加権を得る。週末に試合が開催されるリーグ戦と平行して平日に行われるため、若手登用にチャンスを広げることは日常的。レボリューションのヒープス監督は前週のリーグ戦終了後に「水曜日のカップ戦ではザクリーを起用する」と地元出身で球団のアカデミーで育った大型新人のデビューを予め公言していた。 「残念ながらプレーの中でケミストリーを起こすことができなかった。攻撃はしたが、最後でかみ合わなかった。本来のゲームプランなら、もう少し早い段階で点を取り、もっと早い段階でザクリーを投入するつもりだったが、ああいう展開になると延長戦のことも考えなければなかったし、投入のタイミングは難しかった」と試合後のヒープス監督は振り返った。 左太もも肉離れと腰痛から先発としての復帰戦となった小林は「プロとして言い訳はできませんが」と前置きした上で、「これが、カップ戦の難しさ。相手の情報が不足していたり、メンバーや役割が普段と勝手が違ったりするので。ザクリーには気の毒な展開になってしまった」と語った。 失うものがない相手の勢いと、負けられない重圧も要因の1つだろう。だが、約1ヶ月ハリボと一緒にプレーした小林は「最近まで高校生だったという感じは全くない。何の問題もなく(プロに)適応して普通にやっているので、将来性を感じますね」と語る。チーム合流初日は傷だらけで帰宅したというエリボだが、今は、プロのレベルに身を置いて練習することが楽しくて堪らないという。 予定に反して短い出場時間とはなったが、レボリューションのユニフォームを着て、憧れの舞台に立ち、186センチの長身を生かしたダイナミックなプレーの片鱗をみせた。未知数のキャリアはこれから。本人は、日本代表入りを希望している。ロシアW杯アジア2次予選のスタートで、格下のシンガポール相手に無得点に終わったハリルジャパンの秘密兵器になりえるほど、将来を嘱望されている19歳が、プロとしての第一歩を踏み出した。 (文責・Junko Ichimura/Sports wrier)