安全宣言の豊洲市場、小池知事「さまざまな形で情報発信」
東京都の小池百合子知事は3日の定例会見で、10月11日に開場する豊洲市場(東京都江東区)の安全性について「さまざまな形での情報発信、情報公開の2本立てで訴えていきたい」と述べた。小池知事は先月31日、追加の土壌汚染工事が完了した豊洲市場について「安全宣言」を行っている。
地下水や大気調査も継続
豊洲市場については、2016年8月、就任したばかりの小池知事が「安全性などの疑問が解消されない」などとして移転の延期を発表した。その後、土壌汚染対策として実施されるはずの盛り土工事がなされていないことが判明。再招集した専門家会議で検討した追加の土壌汚染対策工事が今年7月12日に完了したことを受け、同会議は同30日、追加工事で豊洲市場の安全性が確保されたとの評価を発表した。 小池知事は翌31日に開かれた市場移転に関する関係局長会議で「豊洲市場は産地出荷者、市場関係者、消費者含めすべての関係者に安心して利用していただける市場、すなわち安全・安心な市場として開場する条件を整えることが出来た」と安全を宣言。8月1日に東京都が農林水産相に市場開場の認可を申請した。審査には約1か月かかる見込み。 小池知事は「9月13日には(豊洲市場開場の)式典を行う手はずを整えている」と日程に言及。今後も地下水や大気のモニタリング調査も継続し、結果を公表すると明らかにし、情報発信と情報公開の2本立てで豊洲市場の「安心・安全」を訴える姿勢を示した。 築地市場(東京都中央区)の関係者の中には、同市場で働く女性の団体「築地女将さん会」などのように移転に反対する人もいる。小池知事は「女将さん会からは、いつもご意見を頂戴しているが、ご主人方は(移転の)準備もされているようだ」と指摘した上で、「皆さんの納得をいただけるよう進めていきたい」と述べた。 (取材・文:具志堅浩二)