マーベルを離れた本当の理由 「スパイダーマン」監督が告白
大ヒットシリーズ「スパイダーマン」の監督として知られるジョン・ワッツが、マーベル・シネマティック・ユニバース(MCU)からの離脱理由を米ハリウッド・レポーターの独占取材で明らかにしている。 ワッツ監督は「スパイダーマン ホームカミング」からMCUに参加。第3弾「スパイダーマン ノー・ウェイ・ホーム」の世界累計興収は19億ドルを超え、歴代興収ランキング6位という驚異的な成績を収めた。しかし、この輝かしい成功の裏で、監督の胸中には複雑な思いが渦巻いていたという。 「あの瞬間、これ以上のことは二度とないだろうと悟ったんです」とワッツ監督は振り返る。コロナ禍で苦戦する映画界で大ヒットを記録したこの作品の公開初日、ハリウッド大通りのチャイニーズ・シアターで観客の熱狂的な反応を目の当たりにした時、監督の中で何かが変わったという。 「スパイダーマンは常にスタン・リーとスティーブ・ディトコの創造物です」と監督は語る。「もちろん、私もクリエイティブな面で全面的に関わりましたが、今度は完全に自分の声で語りたいと思ったんです」 この思いが、マーベルからの離脱と新作「ウルフズ」の誕生につながった。ジョージ・クルーニーとブラッド・ピットが競合する2人の「フィクサー」を演じるこの作品は、ワッツ監督自身が脚本を手掛けた完全オリジナル作品だ。 「『ウルフズ』は私のものなんです。これは自分の声であり、自分のビジョンであり、自分のスタイルに戻る機会だったんです」 ワッツ監督の新たな挑戦は、すでに業界内外から熱い注目を集めている。ベネチア国際映画祭でのワールドプレミアでは、5分以上にも及ぶスタンディングオベーションを受けたのだ。 マーベルを離れるという大胆な決断をしたワッツ監督だが、MCUへの復帰の可能性は完全には否定していない。一方で、「ウルフズ」の続編はすでに発表されており、監督の新たな挑戦は始まったばかりだ。 なお、「ウルフズ」は9月27日よりApple TV+で世界配信される。