日本海側の豪雪、海水温上昇の影響も 青森市の積雪139センチ、1月5日の過去最大記録
年明けの東北や北陸などの日本海側を襲う豪雪。1月5日の積雪は青森市で139センチとなり、過去の同日の記録として最大となった。日本海側各地は9~10日も降雪が継続する見通しだ。専門家は一連の豪雪の原因として、日本海の海水温上昇の影響などを挙げている。
年末年始に続いた降雪
人口26万人の県庁所在地・青森市では2024年12月27日の積雪は81センチだったが、その後、25年1月2日に31センチ、1月4日に26センチの降雪を記録するなどの大雪が続いた。そして、年末年始の連休最終日の1月5日の積雪は、記録が残る1894年以降で同日として最大の139センチとなった。青森県では弘前市でも5日に積雪115センチを記録。県西部の津軽地方を中心に積雪は平年の3倍を超えた。 本州最北端にあり、リンゴの産地として知られる青森県。青森市は国内有数の豪雪都市だ。1月の積雪は1945年1月30日の193センチが最大。通年では1945年2月21日の209センチが最大だ。ただ、近年は暖かい冬の年も増え、1月上旬でも積雪が少ない年がみられ、2017年は通年の最大積雪は56センチだった。 今回の大雪で、青森市では生活道路の除排雪が行き届かないエリアもあり、市民生活が混乱した。公共交通機関の大幅な乱れや落雪に巻き込まれる被害などもあり、影響は甚大だった。
日本海側から流れ込んだ線状の雪雲
青森地方気象台は大雪の原因について、冬型の気圧配置が続き、上空約5000メートルに極東ロシア南東から氷点下39度以下の強い寒気が入り込み、線状の雪雲が北東北に次々と向かってきたためと説明する。 異常気象に詳しい三重大学の立花義裕教授(気象学)は豪雪の理由を「地球温暖化の影響が色濃い」と分析する。青森付近の日本海では、2024年12月から平年より約3度も水温が高い地点があり、水蒸気が大量発生していた。さらに温暖化による偏西風の蛇行の影響を受け、北極の寒気が大陸側に南下して青森県側に吹いたため、大量の水蒸気が雪雲になったという。東北南部や北陸地方も含めて1月9~10日に続く豪雪も類似のメカニズムだ。立花教授は「暖かい海水温の影響を受けているため雪が従来より重く、倒木なども目立っている」と見ている。