<センバツ・ここに注目>選手紹介/8 成長求め四国渡り歩き 高橋友内野手兼投手(高知・2年)
打席に立つと、何かやってくれそうと思わせる。浜口佳久監督(46)の人物評は「自分を持っている」。183センチ、84キロの恵まれた体格から独特な雰囲気を醸し出せるのは、球歴をひもとくとわかる。「成長できるところ」を求め、17歳にして四国3県を渡り歩いている。 愛媛県出身で、徳島・生光学園中に進学した。1年時に主将に誘われて寮で毎晩、素振りをするようになった。「小学生の頃は何かを継続するタイプではなかった。自宅にいたらやっていない。寮だからこそできた」。素振りは今も続け、入浴や歯磨きと同様に「やらないと気になる」ほど。持ち味である広角への打ち分けやタイミングを崩されても安打にする高いミート力はこうして培われた。 高知では1年秋から中軸を任され、昨秋からは「副主将」の肩書が加わった。責任感の強さが裏目に出て「結果を求めすぎた」と苦しんだが、四国大会準決勝の徳島商戦で「自分のスイングをしよう」と開き直ると、本塁打を含む2安打4打点と活躍。最終的には打率を3割8分7厘まで上げた。投げては130キロ台後半の直球が武器。昨秋には背番号「1」をつけた。前チームでは阪神のドラフト1位、森木大智がつけていたが「ベンチに入れれば、何番でもいい」とこだわりがない。一方で、他の野手兼任投手に対して「打者としては負けたくない」と即答する。 「甲子園では自分を知ってもらえるような印象に残る活躍ができれば」。四国の渡り鳥が大海で羽ばたく日は近い。【安田光高】=つづく ……………………………………………………………………………………………………… ■人物略歴 ◇高橋友(たかはし・ゆう)さん 愛媛県四国中央市出身。小学3年から野球を始め、中学は硬式の生光学園中に所属。高校では1年秋からベンチ入り。高校通算4本塁打。好きな言葉は「継続は力なり」。右投げ左打ち。