竜王戦で激しい攻防を見せる藤井聡太!10月の対局を振り返る
竜王戦七番勝負は挑戦者の練った作戦と指し回しで、白熱した内容のシリーズとなっている。2024年最後の防衛戦は果たしてどうなるか。 ※対局予定棋士の名前の後の()内は藤井から見た過去の対戦成績。 10月5、6日に第37期竜王戦七番勝負第1局で佐々木勇気八段と対戦。角換わり腰掛け銀から激しい戦いを思わせたが、一転して渋い展開となる。難解な応酬から藤井は少しずつリードを奪っていくと、最後は技の掛け合いを制してきっちりと一手勝ちを収めた。まずは開幕戦を制して好スタート。 10月19、20日に竜王戦第2局で佐々木八段と対戦。佐々木の矢倉に藤井はバランス形の駒組で対抗。藤井は攻勢を取るが、二日目に入ったところでミスが出て佐々木がリード。その後は勝負手で差を詰めるも、時間を残す佐々木に落ち着いて押し切られた。これで1勝1敗に。 10月25、26日に竜王戦第3局で佐々木八段と対戦。序盤に端の駆け引きがあり、佐々木が意表の角交換振り飛車を採用。互いに自陣角を打ち合い、藤井は玉頭から攻める構想を見せる。佐々木の手厚い指し回しの前に苦戦を強いられるが、勝負勝負と迫っていき、際どい終盤戦に持ち込んで最後は競り勝った。これで七番勝負は2勝1敗に。第4局は11月15、16日(月・火)に行われる。 【写真を見る】現在、竜王戦で防衛を目指す藤井聡太 第45回将棋日本シリーズJTプロ公式戦は準決勝で広瀬章人九段(11勝3敗)と対戦する。対局は11月2日。 第74回NHK杯将棋トーナメント本戦、次戦は3回戦で澤田真吾七段─冨田誠也五段戦の勝者と対戦する。10月31日に第32期銀河戦本戦でHブロック最終戦の近藤誠也七段戦が放映。角換わり腰掛け銀から鋭い踏み込みを見せてリードを奪うと、終盤は手堅い指し回しで勝ち切った。これで最終勝ち残り者として決勝トーナメント進出が決定。決勝トーナメント1回戦では狩山幹生四段(初手合)と対戦する。放映は11月12日(火)の予定。 SUNTORY将棋オールスター東西対抗戦2024が開催。西側で唯一のタイトルホルダーである藤井は選出が決定しているが、投票獲得数でも1位となった。対局は12月15日(日)の予定。 文=渡部壮大
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