「ChatGPTに聞いたら、パワハラと出たから告発」若者の間で広がる《新型ハラスメント》の実態を探る
法よりも大事な個人の感情?
山藤氏も、ある企業からこんな悩みを相談されたと明かす。 「『自分が上司からされたことについて、パワハラかどうかをChatGPTに聞いたら、パワハラと出ました。上司を罰してください』と訴える人がいたようです。会社が関係者にヒアリングを実施し、弁護士にも確認したところ、法的にパワハラには当たらないとの見解でした。それを本人に伝えたものの、『ChatGPTが言うのだから間違いない』と納得してもらえなかったとか。この事例は極端だとしても、法的な判断よりも自分が受けた感情の面での被害を重視してほしい、という声が増えているようです。 職場環境を良くするためにハラスメントの撲滅は必須ですが、過剰なハラスメントの訴えが横行すれば、逆に人間関係がぎくしゃくして、職場環境が悪くなることにも、留意が必要でしょう」 ハラスメントだらけの世界も地獄だが、あらゆるハラスメントに気を遣わねばならない社会もまた地獄かもしれない。 「週刊現代」2024年11月9日号より
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