ウクライナ、米大統領選前にロシア参加で平和サミット開催模索
(ブルームバーグ): ウクライナ政府は公正な和平合意を達成するため、ロシアも出席する形で2回目となる「平和サミット」を11月の米大統領選挙前に開催したい意向だ。事情に詳しい関係者が明かした。
計画は、6月にスイスで開催された第1回サミットに続くものだ。第1回には90カ国余りの代表者が参加したものの、ロシアは招待されておらず、幾つかの国は下級代表団を派遣した。また、ウクライナ政府は新興国を中心とするいわゆる「グローバルサウス」の主要国を取り込もうとしたが、共同声明への署名を拒否する国もあり、挫折した。
こうした国々や、不参加だった中国は、ロシアも協議に参加すべきだと長く主張してきた。中国はブラジルとともに、ロシアのウクライナ侵攻を終わらせるための独自の案を提示している。
米大統領選前に会議を開催しようという動きは、トランプ前大統領が返り咲く可能性に直面しているウクライナの切迫感を物語っている。共和党大統領候補の指名が確実視されているトランプ氏は、当選した場合、来年1月の就任までに戦争を終結させると豪語し、ウクライナへの軍事支援継続には反対の立場を示している。
ウクライナは、ロシアと交渉に入る前に、公正な和平の基盤となる一連の重要原則について包括的な合意に達するための手段として、このサミットを活用しようとしている。スイスの第1回サミットでは、核の安全、食糧安全保障、拉致された子供たちの返還に重点が置かれた。ロシア政府当局者との最初の接触はこうした問題を中心に進められる可能性がある。
ウクライナの当局者は、米大統領選挙前に第2回首脳会談を開催する計画があることを認めた。複数の欧米同盟国の当局者は、いかなる会合も明確な目的意識と期待管理の下で慎重に計画する必要がある、と述べた。
ただ、複数の米政府当局者は、ロシアとウクライナ双方が参加する平和サミットが実現できるとは考えていないと匿名で語った。