米社債スプレッド、年内小幅拡大へとUBS-炭鉱のカナリアにも言及
(ブルームバーグ): 米社債のスプレッドは年末までに現行水準から小幅に拡大する可能性があるものの、概して社債に対する需要は旺盛で企業の業績も好調だ。UBSグループのストラテジストらがこうした見方を示している。
米国の高格付け社債のスプレッドは現在の88ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)から95bpに拡大する可能性があると、マシュー・ミッシュ氏率いるストラテジストは12日付のリポートで指摘。一方、ジャンク債のスプレッドは現在の305bpから325bpに拡大する可能性がある。
トータルリターンベースでは、高格付け社債は約5.8%が見込まれ、5.2%が予想される高利回り債を上回る可能性があるという。
ミッシュ氏はブルームバーグ・ニュースとのインタビューで、「株式並みのリターンがあり、資産クラスとして社債支持を打ち出す強い論拠となる」と語った。
企業収益は堅調に伸びており、負債増加ペースは鈍く、個人消費は比較的底堅いとUBSのストラテジストらは分析する。
ただその一方で、「信用サイクルを巡り、炭鉱のカナリアはささやかではあるが鳴き続けている」と指摘し、レバレッジドローンの借り手やオフィスビルでのデフォルト(債務不履行)増加に言及した。ミッシュ氏によれば、プライベートクレジットも今後ストレスの要因となる可能性がある。
「成長サイクルが鈍化し、信用問題が浮上すれば、こうしたより脆弱(ぜいじゃく)な借り手は財務状況が劣化し、一段と急速に事態は悪化するだろう」と同氏は語った。
原題:UBS Sees Corporate Bond Spreads Widening Slightly Into Year-End(抜粋)
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Maria Clara Cobo