6時間後には「もう逃げられませんよ」 AIで洪水の浸水範囲を予測 早期の避難を促すシステム
RKB毎日放送
大雨による土砂災害で「逃げ遅れ」が懸念される中、災害が起きる前にAIを使って浸水範囲や危険リスクの予測をするシステムの研究が進んでいます。素早い判断を迫られる自治体にとって、AIが一つの支えになっています。 【写真で見る】AIで洪水の浸水範囲を予測 早期の避難を促す ■村民「システムを見て対応を考える」 職員「きょう夕方(高齢者等避難を)出しましょうか、という話をしている」 村民「出る?高齢者?」 職員「うん」 村民「きょう18時から小石原公民館で会議や。それなら泊まっといた方がいいね」 福岡県東峰村では27日、気象庁が「線状降水帯」の予測情報を出したこともあり、不安を感じた住民が役場に来ていました。 気象庁のホームページに加え災害予測の説明に職員が活用していたのが、九州大学が開発した「市町村災害対応総合システム」です。 村民「この時期はこのシステムを見て、防災課の話を聞いて自分の対応を考える」「一番頼りになります」 ■「6時間先の予測」生かして高齢者を避難 東峰村では7年前、土砂災害や河川のはん濫などの豪雨災害で3人の犠牲者が出ました。 RKB 下濱美有 「システムを導入している東峰村です。役場に入ってすぐのモニターにシステムを表示しています」 東峰村では、気象庁や県の情報に加え、6時間先の予測ができるこのシステムを使って「高齢者等避難」や「避難指示」を出す判断をしています。 東峰村 阿波康成 防災管理官 「四角い枠で囲んであるのが、東峰村の住民がいるところです。雨が降り続いた時には、枠の色が変わってくる。黄色から赤、紫になってくるわけですけれど、そういうところは早く避難させた方がいいですよと」 ■数時間かかった予測が数分に AI(人工知能)を活用するこのシステム、災害が起きる前に被害を予測していのちを守ろうと、九州大学の三谷泰浩教授が開発しました。 九州大学 三谷泰浩 教授 「AIで解くと数分で答えが出てくる。どこの場所から洪水が発生しますと入れると、ぱっと一目瞭然で出てくるということ」