【心理カウンセラー・中元日芽香(元乃木坂46)】祝・結婚!「推し活と新しい出会い」のメンタルヘルス
セカンドキャリアに結婚、私の人生の「出会い」のタイミング
10代の頃、推される側であるアイドルとしての職業意識もあって、新しい出会いに警戒心がありました。 新しく出会う人に自分をさらけ出すことは怖かったし、自分を守るためにも出会いを広げたくありませんでした。もしかすると、この「自分を閉じていたい」「明るく頼りになる自分だけを見せたい」という気持ちは、その後の適応障害にもつながってゆく部分だったのかもしれません。メンタルバランスを崩して休養期間をいただいたとき、マネージャーさんの紹介で出会ったのが、心理カウンセリングでした。 それまで「自分の悩みを打ち明け、弱い部分を見せる必要なんてない」と思っていた私の価値観を、カウンセラーさんは大きく変えてくれました。アイドルの先をどう生きていけばいいかわからず、セカンドキャリアのイメージがわかなかった自分が、初めて「次はこれをやってみたい!」と思えたのです。この出会いは、アイドルという仕事をやりきって次のステップへ踏み出そう、という決意の扉を開いた幸せな経験でした。 そうして、心理カウンセラーになって数年がたち、つい先日結婚しました。旦那さんとの出会いのタイミングにも、自分の心の自然な変化を感じています。
人生のパートナーとの出会いは、推しとの出会いに似ている?
アイドルを卒業して今の仕事についた時、ちょっとだけ“鎖国状態”な自分を感じる時期にありました。一人で勉強して自分自身を高めていくことができたけれど、それだけでは成長に限界がある。「もう少し人と交流して世界を広げていかなきゃ」「いろんな人と話してみることって大事だな」と、高校時代の友人に相談したところ「会ってみる?」と紹介されたのが、彼でした。 10代の頃の警戒心が強い自分だったら、あるいは20代初め、仕事と勉強に没頭していた頃の自分だったら、受けつけていなかったでしょう。精神的に臆病だったアイドル時代に比べるとタフになっていたし、その分、新しい出会いに対して肩の力を抜くことができるようにもなっていました。だから、彼とは必要以上に自分を飾りすぎず初対面からフラットに対話ができました。お互いに気楽な状態で、この先も変わらず一緒にいられそう! そう感じて、結婚することにしたのです。 旦那さんは友達が多い人なので、出会ったことでどんどん人間関係が広がっていくのも、今の私にはとても面白い。自分一人では見ることのできなかった世界を疑似体験しながら、彼の友達の悩み相談に乗ることもあります。新しい出会いを通じて、自分の中にストックが増えていく感じは、推し活で生まれるものにも似ているかもしれません。推しが 一人増えると、推し仲間という枝葉が広がっていくというお話をよく聞きます。推しの勧める本や映画を見たり、推しを追って新しい場所へ旅をしたり、そんなこともワクワクする出会いのひとつ。リアルでも、推し活でも、心地のいい広がりが生まれるのは、かけがえのない経験です。