熊本の河川から「PFOS・PFOA」検出 “指針値の58倍” 原因は『産業廃棄物の埋め立て処分場』なぜ流出したのか?
熊本放送
人体への影響が指摘されている有機フッ素化合物の「PFOS・PFOA」が熊本市内の河川で検出されたことを巡り、熊本市は、市内の産業廃棄物の埋め立て処分場が原因の一つだと公表しました。 【写真を見る】熊本の河川から「PFOS・PFOA」検出 “指針値の58倍” 原因は『産業廃棄物の埋め立て処分場』なぜ流出したのか? 熊本市では、11月までに、市内の複数の河川や井戸で、国の暫定指針値(50ng/L)を超える有機フッ素化合物(PFOS・PFOA)が検出され、市が調査を続けていました。 その結果、暫定指針値(50ng/L)を大幅に超える220ng/Lが検出された井芹川(いせりがわ)の観測地点の原因の一つについて、川の上流にある産業廃棄物の埋め立て処分場から出た放流水と特定しました。 熊本市 大西一史市長「埋め立ての処分場があるということは、なんらかの埋め立てられたものが影響して出ているのではないか」 ただ、放流水に有機フッ素化合物が含まれていた原因はわかっておらず、業者の処理は違法ではなかったということです。 熊本市は来年1月、専門家委員会を設置し、詳しい原因や対策を協議する考えです。 ■7か所の埋め立て処分場で「暫定指針値」超える放流水 (スタジオ解説)熊本市内では、11月までに、河川で23か所、井戸で2か所、国の暫定指針値を超えた有機フッ素化合物が検出されています。 中でも暫定指針値を大幅に超えた井芹川の観測地点について、今回、その上流にある産業廃棄物の埋め立て処分場から河川に放流された水から、暫定指針値の『58倍』となる『2900ナノグラム』の有機フッ素化合物が検出されました。 そのため、市が市内に8つある全ての産業廃棄物の埋め立て処分場を調査したところ、井芹川の上流3か所、豊田川の上流1か所、坪井川の上流3か所のあわせて7か所の処分場で、暫定指針値を超える放流水が検出されたということです。 ただ、全ての業者において、有機フッ素化合物が含まれるものを処分したという記録がないため、市は放流水になぜ有機フッ素化合物が含まれていたのかが分からないとしています。
キャスター「そこが一番気になりますよね。じゃあ、どこから来たのでしょうか」 市は「有機フッ素化合物が含まれていると知らずに誤って処分された可能性はある」としています。一方で、暫定指針値を超える有機フッ素化合物が検出された2か所の井戸について、市は処分場との関連は低いとしています。
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