SNSで自分を可愛く「盛る」ことにハマった女性。レンタル彼氏を使ってデート写真を捏造するなど承認欲求はエスカレート
SNSでの承認欲求が昂じてトンデモな行動を取ってしまう人々……。あなたの周りにもそんな人はいませんか? 【漫画を読む】『オンナのソノ』自分さえ可愛ければいいと思っている女性の末路 実際にあった体験談を集めたコミック作品『オンナのソノ 理想と現実、マウント、勘違い…欲にまみれた社会で生きるオンナたちの末路』には、そんな「困ったちゃん」のエピソードが詰まっています。今回は写真投稿SNSにハマって暴走してしまった女性のエピソード「自分さえ可愛ければいいと思っている女の末路」をご紹介しましょう。 ■「自分さえ可愛ければいいと思っている女の末路」あらすじ 本宮かんなはSNSのキラキラ写真でフォロワーを増やすことを目指す27歳。「心の友とランチした写真」を自慢するために、わざわざ大きなバラの花束を買い込んで通行人にツーショット写真を撮ってもらうなど、周囲の人をも巻き込んでいます。写真写りが悪いと怒り出し、画像加工アプリで自分を可愛く加工しては写真投稿を繰り返していました。 しかし自分の顔を加工するあまり一緒に映る友人の写真を歪ませてしまい、「隣の女の子歪んでるけど笑。加工ひどすぎて草」「自分だけ可愛く映れればそれでいいのねwww」など、フォロワーからは嘲笑めいたコメントがつきはじめます。外食の写真には「ハンバーグ如きでマウントとるなよw」「一人で行ったんですか~??」、高級コスメを買った写真には「豚に真珠」「ハイブラ自慢ですかあ~?」など、アンチコメントが続出します。 馬鹿にされたことが悔しかったかんなは、「レンタル彼氏」を手配して投稿写真に写り込ませます。「この映り込んでる手、男じゃね?」「男できたの?」などのコメントがついて、かんなはこの作戦の成功に気を良くします。 「彼氏がいるリア充な美女」というコンセプトにハマってしまった彼女はたびたび同じレンタル彼氏にお金を払ってデートをしていましたが、ある日、彼はレンタル彼氏のバイトをやめる旨をかんなに伝えます。焦ったかんなは「バイトをやめてもデートしてよ」「彼女になってあげる」と食い下がりますが、彼は「お客さんだから会ってたけど、そういう風には見られません」とあっさり断りました。 レンタル彼氏を失ったかんなは、彼を「元カレ」ということにして失恋動画を作成します。レンタル彼氏とのデート写真の数々にエモい音楽を乗せ、「すごくすごく好きだった人と今日お別れしてきました」「お互い好きなのにすれ違いばかりだったね」などのナレーションを付けたのです。 嬉々としてその動画をSNSにアップしたかんなでしたが、「自分に酔いすぎてて草」「彼氏勝手にデジタルタトゥー刻まれてかわいそすぎ」「まとめるとキモいの一言でーす」などのコメント通知が鳴り止みません。 しまいにはレンタル彼氏本人から「彼女とは個人的なお付き合いは一切ありません」のコメントが付いてしまい、フォロワーは「オーバーキルwww」「かんなちゃん息してる~??」とさらに嘲笑、かんなは頭を抱えて悲鳴をあげるのでした……。 ■日常生活の中の「モヤっとする出来事」を面白おかしく このエピソードの他にも、マウントを取りたがる女性や承認欲求の深みにハマる女性が多数登場する『オンナのソノ 理想と現実、マウント、勘違い…欲にまみれた社会で生きるオンナたちの末路』。著者の「オンナのソノ」さんにお話を伺いました。 ──この脚本を書きはじめたきっかけはなんだったのでしょうか? オンナのソノ「とても大きな声では言えないけど、日常生活の中でモヤっとする出来事って誰かに吐き出してスッキリしたかったりしますよね。身の回りにいる女性たちの『そうそう、こんな人がいて!この間、こんなことがあって!』という話を聞いていく中で、これは物語の世界であれば、面白おかしく描くことができるかな?と思い描き始めました」 ──この作品には他にもたくさんのマウント女子たちが出てきます。この作品の魅力ははどんなところにあるのでしょうか。 オンナのソノ「勘違いしていたり、時には行きすぎた言動をする彼女たちですが、総じて自己肯定感が高く、時に羨ましくもなるところでしょうか。誰しもが心の奥底では彼女たちのような毒々しい側面も持ち合わせているけど、理性があるから、日常生活の中ではとても同じように振る舞うことはできませんよね。それでも物語の中では言い切ってしまえるハートの強さが、オンナのソノらしいという事なのだと思います。なんだかんだ人生を楽しんでいますよね」 SNS投稿にブランド品が映り込まないと気が済まない女性、親のクレジットカードで配信者に120万円も貢いでしまったニート女性、彼氏との出会い方にこだわり続ける女性…。 いずれもトンデモな行動に思わず笑ってしまうものの、現代社会ならではの闇と欲望を抱えて暴走し、そして破滅していく様子には、ちょっぴり哀れみも感じます。 あなたの周りにもこんな女性たち、いませんか? イラスト・漫画=オンナのソノ『オンナのソノ 理想と現実、マウント、勘違い…欲にまみれた社会で生きるオンナたちの末路』 文=レタスユキ