『SHE SAID/シー・セッド その名を暴け』ほか、世界から厳選された全15作品を上映 現役⽇芸⽣による映画祭「声をあげる」予告映像公開
⽇芸⽣が主催する映画祭「声をあげる」の予告映像が公開された。 今年も、日芸生主催の映画祭が開催される。これまでも「領土と戦争」(2022)や「移民とわたしたち」(2023)など、その時々の社会情勢を踏まえ、学生が重要と捉える問題に目を向けてきた同映画祭だが、今年のテーマは「声をあげる」。 映画祭では、様々なかたちで声をあげてきた人たちを追った、劇映画6本とドキュメンタリー9本の計15本の映画が上映される。 今回の上映作品で最新の作品は「#MeToo」運動が世界に広がるきっかけとなった告発事件を映画化した、マリア・シュラーダー監督の『SHE SAID/シー・セッド その名を暴け』(2022)。性的暴行やハラスメントを受けた被害者の声を社会に届け、不当な権力者に対抗する姿勢が描かれる。 同じく最近起こった、香港民主化デモを描いた『時代革命』(2021)は、自由と民主主義を求め戦い続ける市民や学生の様子を多角的に捉える。 また、日本での上映権が切れていた2本の作品をフランスの権利元と交渉のうえ、特別に上映。パリ郊外(バンリュー)に住む若者たちの社会的格差や暴力による葛藤を描き、1995年のカンヌ国際映画祭で最優秀監督賞を受賞したマチュー・カソヴィッツ監督の『憎しみ』。『SHOAH』(1985)でその名を知らしめた、クロード・ランズマン監督の『ソビブル、1943年10月14日午後4時』(2015)は、ナチスの収容所で唯一武装蜂起が成功したソビブル収容所で、数少ない生存者の1人が、当時の計画から実行、生還までの記憶を語る。 本映画祭の企画の発端であるパレスチナ問題を取り上げた作品では、土井敏邦監督の『沈黙を破る』(2009)を上映。 また、国内で声をあげた人たちを描いた作品では、日大生(日大全共闘映画班)が自ら撮影した『日大闘争』と『続日大闘争』(1968)を同時上映。同じく学生運動を題材にした山下敦弘監督の『マイ・バック・ページ』(2011)のほか、本映画祭のなかで最も古い作品である山村聰監督『蟹工船』(1953)、また、日本映画史に残るドキュメンタリー作品として、小川紳介監督の『日本解放戦線 三里塚の夏』(1968)、土本典昭監督の『水俣-患者さんとその世界-』(1971)を上映。歴史社会学者である小熊英二が監督した『首相官邸の前で』(2015)は、今世紀に参加者が 20 万人に達した大規模な抗議運動により、原発再稼働政策に大きな影響を与えた様子を捉える。 映画祭「声をあげる」は、2024年12⽉7⽇(⼟)~ 12⽉13⽇(⾦)開催。
otocoto編集部