諸星和己、光GENJI解散後のニューヨーク生活が“ビッグマウス”を変えた
■“ビッグマウス”は今でも健在 かつて“ビッグマウス”と揶揄された時期もあったが、今はその姿がトークバラエティー番組で支持されている。「基本的に言っていることは昔から変わらない。でも若い時は『お前の年齢でそれを言うな』と批判されました。でも、この年齢になって色々な経験を積んだことで、ようやく『あいつはこういう奴なんだ』と認識してもらえている。だからと言って大人になったわけじゃない。変な占い師に『考え方が小学6年生で止まっている』と言われましたから」。 渡米後は、ブロードウェイミュージカルの日本版『EVIL DEAD THE MUSICAL~死霊のはらわた~』、『キャバレー』などミュージカル俳優としても頭角を現し、表現者としての幅は広がりをみせている。「ミュージカルは凄いよね。俺だからできるんだよ」と、相変わらずの強気発言は健在だが、「改めてニューヨーク行きを選択して良かったと思う。今は勝敗に興味はなくて、いかに後悔しないかが重要。人生は一度きりだし『やらないで後悔する』なら、俺は『やって後悔する』方を選びますね」と、一つ一つの言葉に確信を込める。 ■大沢樹生からの連絡に「どこの大沢だ」 その行動力が生み出したのが、大沢と約20年ぶりに共演した主演映画『鷲と鷹』。「彼とは20年間、口もきいてないし、連絡先も知らなかった。事務所に『大沢です』と電話が来たときは『どこの大沢だ!?』と思った」と、あけすけにオファー当時を振り返る。だが「妙案だと思った。僕らの共演をどう感じるかは、観客の皆さんに任せたい」と公開後のリアクションに期待する。そして気になるのは、不仲説がささやかれる2人の邂逅(かいこう)の先に、ほのかに見える“光GENJI再結成”だが……。 「ない、ない」と即答で否定。「再結成するにしたって、様々な壁もあるだろうし、そう簡単にはできない。メンバー全員が集まっても、すんなり『やろう』という話にはならないはず」と説明しながら「だからこそ、この妙案な作品の話に乗ったんですよ。映画を観てくれた人が何らかの期待を持ったり、希望を持ったりしてくれるのが、この仕事をしていく上での俺の生きがいですから」と、再結成については煙に巻きつつも、ファンへの変わらぬ愛と感謝をのぞかせた。 (取材・文/石井隼人) 諸星和己(もろほし・かずみ) 1970年生まれ、静岡県出身。1987年にローラースケートを履いて、歌い踊る7人組アイドルグループ「光GENJI」のメンバーとしてデビュー。解散後は歌手、俳優、タレント活動のほか、様々なジャンルで活躍。主演映画『鷲と鷹』(企画・宣伝:オールインエンタテインメント)が、5月24日より新宿ミラノほかにて全国公開される。