定期検診での有所見率 12年連続全国ワーストの沖縄県 長寿取り戻すためにやるべきことは 医師会、働き盛りの健康考える講座
第30回県医師会県民公開講座「長寿奪還! みんなで考えよう 働き盛りの健康づくり!」(主催・県医師会、沖縄タイムス社)が11日、南風原町の県医師会館で開かれた。オンライン配信とのハイブリッド開催で約150人が参加した。県内は全国と比べて高血圧関連疾患の死亡が多い。平均寿命の全国順位を後退させている30~64歳の健康を巡り、医師たちが血圧対策の大切さを訴えた。 国が毎年発表する定期健康診断で何らかの異常がある「有所見率」は、沖縄が12年連続で全国ワーストとなっている。 「健康経営優良法人」に4年連続で認定されている大同火災海上保険人事課の外間勇人さんは、社内で2017年にプロジェクトチームが立ち上がり、社員の健康確保に向けて取り組んだことを紹介した。 同社の2016年度の有所見率は県平均よりも悪かったという。「社内の懇親会は午後9時まで」「徒歩通勤の推奨でランニングシューズの出勤可」などのルールを設けたり、イベントを企画したりしたことで、数値が改善したことを報告した。 県医師会65歳未満健康・死亡率改善プロジェクト委員長代行の砂川博司さんは「まずは健診を受けさせ、医療機関で治療させる。中断しない。地域や職場、家庭で取り組むことが大事だ」と呼びかけた。 名桜大学のボランティアサークル「ヘルスサポート」の学生も参加。血圧測定やエクササイズの手本を示しながら参加者と体を動かした。 (社会部・吉田伸) (写図説明)健康についての質問に答える登壇者=11日、南風原町・県医師会館(伊禮健撮影)