【阪神】2戦連続完封負け、岡田監督貧打に「ずーっとやん」7番佐藤輝明、天井ファウルで命拾いも凡退
<日本生命セ・パ交流戦:オリックス4-0阪神>◇12日◇京セラドーム大阪 岡田阪神が昨年日本一をつかんだ京セラドーム大阪で屈辱にまみれた。オリックスとの「日本生命セ・パ交流戦」で、関西ダービー初の2試合連続完封負け。3年ぶりに7番に下がった佐藤輝明内野手(25)は、7回2死満塁の好機で空振り三振に倒れるなど4の0に終わった。交流戦は4勝9敗で2年連続勝ち越しなしが決定。セ界首位の広島も敗れて2ゲーム差は変わらずだが、3タテを食らえば再び貯金が0になる。 【動画】最後の打者佐藤輝明は力なく一塁へ…岡田監督うつむきながら引き揚げ ◇ ◇ ◇ 前夜に続き、虎党のため息で試合が終わった。4点を追う最終回。2死から糸原、渡辺が連続四球で出塁して一、二塁。期待を一身に背負ったのは佐藤輝だ。だが、マチャドの初球の直球をはじき返した痛烈な打球は、一塁手のミットにに収まり、万事休した。 取材エリアに現れた岡田監督は、開口一番言った。「なんもないで。昨日よりないわ」。巨人との開幕1、2戦目以来の2試合連続完封負け。オリックスとの交流戦では初の屈辱だった。15三振を喫した前夜の7安打より少ない4安打に、指揮官も言葉がなかった。 オリックスの先発右腕、エスピノーザに圧倒された。球威と絶妙に動く多彩なボールに、5回まで完全投球を許した。打者の対応を問われた指揮官は「ずーっとやん。そんなんきょうの試合だけちゃうやんか。それだけのことやん。ないない。何も言うことないわ。もう、見ての通りよ」とバッサリだった。 貧打打開を目指す試行錯誤で、佐藤輝を3年ぶりの7番に置いた。そして0-4の7回2死から近本の内野安打、糸原の右前打、さらに渡辺の四球でつくった満塁の好機。ここで打席が背番号8に回った。代わった2番手富山の2球目をフルスイング。打球は三塁ファウルゾーンに高く上がり、捕手若月のミットに収まった。捕邪飛でチャンスはついえたかに思えたが、打球が天井に直撃しており、京セラドーム大阪の特別ルールでファウルの判定になった。命拾いの打ち直しで今度こそ! だが、最後は外のスライダーを振らされての空振り三振で“1イニング2アウト”。「その前の球を仕留めたかったです」と悔やみ「本当に切り替えてやっていきたい」と懸命に前を向いた。 昨秋虎ナインが躍動し、日本一に輝いた京セラドーム大阪でもがき苦しむ0行進。交流戦は4勝9敗で2年連続勝ち越しがなくなった。セ界トップの広島も敗れ、変わらない2ゲーム差はせめてもの救い。3連敗なら貯金0の危機。猛虎の意地を見せる。【磯綾乃】 ◆京セラドーム大阪特別ルール 打球がフェア地域上の天井もしくはスーパーリングに当たった場合、またはスーパーリングの内側に入りすぐに落ちてきた場合は、ボールインプレーとなる。昨年の日本シリーズ第1戦では、右翼側のスーパーリングに入って落ちてこなかった森の打球が二塁打の判定を受けた。一方で、ファウル地域の天井に当たった場合はボールデッドとなる。今回の佐藤輝の飛球はファウル地域の天井に当たった後、相手捕手に捕球されたがファウルと判定された。 ▼阪神の2試合連続完封負けは3月29~30日巨人戦で、開幕戦からの2試合連続以来2度目。交流戦では22年6月8~9日ソフトバンク戦の2試合連続以来。オリックス戦では初めて。 ▼阪神は6月4日楽天戦から8試合連続本塁打がない。過去2度あった7試合を超え、今季最長となった。 ▼阪神は今季の交流戦成績が4勝9敗となり、勝ち越しがなくなった。13日オリックス戦で△または●で、2年連続の負け越しが決まる。