70歳になったので運転免許証を早めに「自主返納」したけれど、不便すぎて後悔…「取り消し」はできる?
高齢ドライバーによる自動車事故を減らすために、運転免許証の自主返納が推奨されています。70歳を超えると免許証の更新時に高齢者講習を受ける必要があり、75歳を超えるとさらに手続きが複雑になるため、これを機会に自主返納を検討する方もいらっしゃるでしょう。 しかし、車のない生活は不便すぎて後悔するケースも考えられます。そこで今回は、運転免許証を自主返納した場合、あとから取り消すことはできるのかについて調べてみました。
運転免許証の自主返納および運転経歴証明書とは
高齢になると、加齢にともなう身体機能や判断力が低下し、運転に不安を感じたり、家族から「運転が心配だ」といわれる方もいらっしゃるでしょう。このような場合に、自主的に運転免許証の取り消しを申請することができ、これを「運転免許証の自主返納」といいます。 運転免許証を自主返納すると、運転経歴証明書の発行が可能となり、これまでの運転免許証と同じように、ほとんどの場合、身分証明書として用いることができます。運転経歴証明書は運転免許証と同じサイズで、有効期限はありません。 運転経歴証明書を提示することで、高齢者運転免許自主返納サポート協議会の加盟企業や団体で、クーポンや割り引きなどの特典が受けられます。
自主返納したけれど不便すぎて後悔…取り消しはできる?
ニッセイ基礎研究所によると、高齢ドライバーの運転免許証の自主返納は、2019年にピークに達してからは、低下し続けているとのことです。 理由はさまざまですが、その中には「2019新型コロナウイルスの感染拡大の影響」が考えられます。重症化しやすい高齢者が公共交通機関を使って外出しづらくなり、3密になりにくい自家用車を手放せなくなりました。 鉄道や乗り合いバス路線の廃止などもあり、居住地区によっては移動手段として車に頼らざるを得ない高齢者もいらっしゃいます。「70歳になったから」などの理由で、早めに運転免許証を自主返納したものの、不便すぎて後悔しているケースも考えられます。 では、自主返納を取り消すことはできるのでしょうか。警視庁の「運転免許証の自主返納・運転経歴証明書について」では、以下の通りです。 「自主返納したことにより運転免許が取り消されると、再度免許を取得する場合には、運転免許試験の一部免除などの特例はなく、適性試験、学科試験及び技能試験を受験し、合格する必要がありますのでご注意ください。」 1度、運転免許証を自主返納すると、取り消すことはできません。再び運転したい場合は、運転免許証の取得をし直す必要があります。
加齢による機能の低下はいつでも起こり得る! 適切な自主返納のタイミングを考えよう
加齢による機能の低下は、今まで無事故無違反であったかどうかにかかわりなく、いつでも起こり得ます。重大事故を引き起こす可能性について考えると、運転免許証の自主返納について検討することは重要です。 日頃から健康管理と安全運転に努めるとともに、自主返納のタイミングについては家族や第三者の意見にも耳を傾けて考えるようにしましょう。 出典 警視庁 運転免許本部 免許管理第一係 運転免許証の自主返納・運転経歴証明書について 株式会社ニッセイ基礎研究所 高齢者の免許返納率の推移 執筆者:FINANCIAL FIELD編集部 ファイナンシャルプランナー
ファイナンシャルフィールド編集部