親が毎日のように食料を購入し、買ったことを忘れて腐らせています。認知症だと思うのですが、私は親の口座や資産を管理できますか?
親が無駄な買い物をしていると、ついつい「そんな無駄遣いをして……」と文句を言いたくなるときもあるでしょう。毎年さまざまな物価高が報じられているにもかかわらず、「節約しない親にイライラする」ということも。いっそ、「親のお金の管理をしたほうがいいのかも」と思いついても、いきなり通帳を取り上げることはできません。 では、親の貯金の管理はどうすればできるのか。今回は、将来親の資産管理を考えている方へ、注意点とポイントについてお話します。 ▼亡くなった母が私名義で「500万円」を遺してくれていた! 名義は自分でも「相続税」はかかる?
認知症についておさらい
年齢とともに、「いつの行動だったのか」「会った人は誰だったのか」など、記憶が曖昧になることは誰にでもよくあることです。ただ、これで認知症になった、成年後見人がすぐに必要だとはなり得ません。つまり、単なる物忘れというレベルなのか、それともこのままでは大変になるというレベルなのかを判断する必要があります。 その判断のために、いきなり精神科を受診しようと親を誘っても、素直に行こうとならないこともありますから、まずはクイズ形式で簡単にできるようなサイトを見て、一緒に回答するのはいかがでしょう。 例えば、東京都福祉局の「とうきょう認知症ナビ」というサイトがあります。このサイトの「自分でできる認知症の気づきチェックリスト」を見ると、「財布や鍵など、モノを置いた場所がわからなくなることがありますか」「今日が何月何日かわからないときがありますか」など、誰しも年齢とともに衰える「物忘れ」のレベルを受診するかどうかの指針にはなるでしょう。 そのほかにも、かかりつけ医に行って、健康診断のように認知症かどうかの判断をお願いしたり、お近くの包括支援センターなどに相談をしたりして、他の高齢者と一緒にデイサービスの利用などを始めるのもいいでしょう。 今の状態から悪化するのか、軽度の認知症で少しでも治療ができるのかなど、認知症は専門家の判断があってこそ、さまざまな支援や制度が利用できる「病気」なのです。