タイ作品&俳優の人気が急上昇中。現地で体験するエンタメの動き
近年、タイ発の映画やドラマ、音楽が注目を集める機会が増えている。日本でもタイ作品のファンが増え、俳優の来日も続いている。そこで、20年以上タイに住み、2010年から自社にてイベントの企画運営などを行う池内有里さんに、仕事をはじめ、現地での生活を通じて体感するタイのエンタメの動きについて聞いた。 【画像】その他の写真 株式会社 トラリ・エンタープライズ 代表取締役社長 池内有里さん 大学の第二外国語の授業でタイ語を選択し、タイ人の先生から異文化を知る面白さを教わったのがきっかけで、卒業後の1998年に、1年間語学留学のためにタイに来ました。 当時は「バックパッカーが訪ねる国」のようなイメージが強い時代で、周りからは「なぜタイへ?」と言われましたが、この土地が気に入り、その後も現地の日系企業で働くことに。同時に、映画の字幕翻訳などをやってみたいという思いを持ち始め、2010年にイベント事業やメディアサポートなどを行う現在の会社を設立。エンタメの仕事にも携わるようになりました。 当初の主な仕事は、日本の映画をタイに輸入する際の翻訳や、TV番組のロケのサポートなど。10年ほど前にタイのドラマを日本に輸出しようと試みたこともありましたが、そのときは全く相手にされなかったですね…。当時は日本からタイへの一方向でした。状況が変わったのは本当にここ数年。今は日本へ輸出するタイのドラマの翻訳をしたり、タイの俳優が日本へ行く際のサポートをしたりする仕事も増えました。 現在は韓国カルチャーの力も強く、タイでの日本のエンタメの存在感は以前ほどではなくなりました。でもアニメはずっと人気で、アニソンから知名度を上げたアーティストがライブに来ることも増えています。 同時に、日本や韓国の影響も受け、タイのコンテンツもクオリティーを上げ、タイ産のエンタメの勢いも強くなったと感じます。ドラマの評判は皆さんもご存知の通りだと思います。BL作品では、主演俳優の人気はもちろん、脇役の俳優も人気が出ると次の作品で主役を務めるなど、応援したくなるシステムがよくできていますよね。 音楽もホットで、アメリカ最大級のフェスCoachellaにタイのソロ歌手として初出場したラッパーのMILLIのように、グローバルに活躍するアーティストが増えています。昨年12月に俳優で歌手のBillkinが商業施設でライブをしたときには、日本をはじめ海外のファンも訪れ、中に人が入り切らないほどでした。いろいろな分野で面白い変化が起きているのでこれからも楽しみです。