モンスターハンター20周年を記念した番組内で、辻本プロデューサーと歴代ディレクターによるトークセッションが放送。「”バッキバキのゴブリン”だったアイルー」や、「二足歩行するジンオウガ」など、開発裏話が盛りだくさん
カプコンは本日3月12日、『モンスターハンター』20周年を記念した番組「モンスターハンター20周年記念 スペシャル番組!! Supported by ユニバーサル・スタジオ・ジャパン」を放送した。 『モンスターハンター』画像・動画ギャラリー 放送内では『モンスターハンター』シリーズプロデューサー・辻本良三氏と、シリーズ作品の歴代ディレクターたちによるトークセッションが放送され、開発の裏話などシリーズの歴史が語られた。本稿ではその中から印象的なエピソードをピックアップして紹介しよう。 2004年~2006年のトークセッションには、藤岡要ディレクターが登場。その中で、一番最初にデザインされたモンスターが「リオレイア」であることや、『モンスターハンター』となる前身の世界観などが語られた。王道スタイルのファンタジーで、なんと魔法使いもいたという。 また、そんなファンタジーな世界観における「アイルー」の前身となる設定画も公開。現シリーズのネコをモチーフにしたかわいい獣人の姿とはかけ離れた、完全にゴブリンの類である。この姿には藤岡氏も「すごいバッキバキのゴブリン」「こ、怖いわ!」とコメント。「(デザインを変えて)本当に良かった」と笑いながら語っていた。 2005年~2010年のトークセッションには一瀬泰範ディレクターが登場。「ティガレックス」や「ナルガクルガ」など、ポータブルシリーズで初登場したモンスターたちの誕生の経緯について語った。 トークの中では20周年企画「モンスター総選挙」で1位に輝いた「ジンオウガ」についても触れられた。一瀬氏曰く「正直、今まで僕がやった中で一番苦労したんじゃないか」と語るほどその開発には難航したようで、製作には「(タイトルの)立ち上げから最後まで2年まるまる使ってると思えるぐらい」時間がかかったという。 デザインについても、最初の段階ではなんと二足歩行で立っていたという。放送内ではその設定画も公開された。 2018年~2019年のトークセッションには、『モンスターハンター:ワールド』ディレクターの徳田優也氏と、エグゼクティブディレクター・アートディレクターとして藤岡要氏が再度登場。 『ワールド』は開発のコードネームだったが、「なんか気に入ってもうて、「もう『ワールド』でええわ」となり、そのままタイトルに決定した、という話など『ワールド』と拡張版『アイスボーン』の開発裏話が語られた。 また、『モンスターハンター』シリーズとしては藤岡氏曰く「凄い改革」となった「ダメージの表示」と、『ワールド』で実装された新規要素「縄張り争い」について話題となった。当初、「モンスターを誘導してぶつけあう」というのが、行為としては面白いが、ゲームとして遊んだ場合に「縄張り争い」にどれぐらい価値があるのかなかなか伝わりづらいところがあったという。 開発チーム内でも、効率重視のプレイヤーからは「こんなの面倒くさいし、誰もやらないんじゃないですか」と言われていたが、「ダメージ表示」を実装したところ評価は一変。プレイヤーが普通に攻撃しても10や20しか減らないところ、「縄張り争い」が発生すると1000以上の文字通り桁違いのダメージが発生。 これを見た先のプレイヤーも「アレ使わないのおかしいっすよ」と手のひら返し。徳間氏はその時に「「縄張り争い」も「ダメージ表示」もいけるな!」という手ごたえを感じたという。 これらのほかにも、配信番組内ではシリーズ作品の興味深いエピソードが多数語られている。興味がある方はぜひ配信アーカイブを視聴してほしい。
電ファミニコゲーマー:Grezzz
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