サッカー元日本代表の権田修一、GK育成に意欲「子どもたちの可能性を広げたい」 沖縄で小学生60人に指導
日本プロサッカー選手会会員の現役のゴールキーパーが普及や育成のため、2021年に立ち上げた「ONE1-GK プロジェクト」発起人で、元日本代表のGK権田修一が1日、昨年に続いて沖縄での同プロジェクトに参加した。権田は「海外と比べて日本の指導者はGKの知識が低い。子どもたちが世界の五大リーグでのプレーに近づけるよう可能性を広げたい」と意気込む。(伊集竜太郎) 【写真】子どもたちと一緒にキャッチングの練習をする権田修一 権田は14年のブラジルW杯と22年のカタールW杯の日本代表。プロジェクト実施の背景として「少年サッカーや中学、高校、Jリーグの監督でも、どんなGKがいいのか、どれがミスでどれが良いプレーかという知識が低い」と指摘し、自身がポルトガルでプレーした経験から「日本が間違いなく遅れている部分だ」と語る。 「正しいポジションを取って正しいプレーを選択するということを欧州では子どものうちからやっている。日本はまだGKのやり方を分かっていない子どもが多く、それを理解させるだけで失点につながるミスをする可能性を著しく下げられる」という。 GKは「楽しいことばかりではない。常に責任がつきまとい、チームの勝利より敗戦に関わるポジションだ」と説明。その上で「責任感を持ってプレーすることで、人としても成長できるポジションだと伝えていきたい」と語った。 GKに必要な要素として「頭を使い、強い気持ちを持ってゴールマウスに立つことが絶対条件」と強調。プロジェクトを通して「GKって楽しいなと思ってもらえる環境をつくり、ポジティブな感情で取り組む子が増えてほしい」と期待を込めた。 ■「できないことに挑もう」児童に指導 GKの育成などを目的にした「『ONE1-GKプロジェクト』in okinawa」が1日、八重瀬町の東風平運動公園サッカー場で開かれた。小学生約60人が参加。サッカー元日本代表のGK権田修一やFC琉球のGKジョン・ジワンがボールの扱い方やキャッチングなどを指導した。日本プロサッカー選手会がFC琉球と連携した企画。 権田は「GKはハンドリングが重要」と話し、手でボールを地面に真っすぐバウンドさせたり、股の下を通したりと、さまざま動きを子どもたちに指導した。 参加した子どもの「何でジャンプして地面に倒れても痛くないの?」との質問に、権田は「6歳くらいから練習していてどうやったら痛くないかたくさん練習してきたから」と答えた。 GKが活躍するのは「チームがピンチの時だ」として、GKを頑張ろうと思った小学3年のエピソードを披露。PK戦で友人が外したが自身が数本止めて勝利した時に、その友人の母親から「ありがとう」と言われて「めちゃめちゃうれしかった。感謝されるポジションなんだと感じた」と語った。 子どもたちには「できないことにチャレンジしてほしい。プロになりたかったらたくさん食べて寝る習慣が必要だ」と伝えた。保護者には「子どもたちに自ら考える習慣を持たせること」を求めた。 参加した港川キッカーズの大城葵さん(新城小3年)は「キャッチして地面に倒れる練習を初めてやって勉強になった」、東風平JSCの外間謙心さん(白川小4年)は「ジャンプしてキャッチする練習が楽しかった」と話した。同JSCの平田優悟さん(東風平小5年)は「プロに教えてもらう機会がないので、もっと増やしてほしい。たくさん練習して、将来はプロになって日本代表で活躍したい」と意気込んだ。