WBC「JAPAN」バッグの恩返しを カブス今永昇太の母校が5回コールド勝ちで初戦突破【高校野球福岡大会】
◆第106回全国高校野球選手権福岡大会2回戦 北筑13―0(5回コールド)筑豊(4日・北九州市民) ■高校野球の最新情報はコチラ ノーシードの北筑が5回コールドで勝利を収めた。1回に1点を先制すると2回は6安打がつながり一挙6点、4回も6得点と2度のビッグイニングで点差を広げ快勝した。「1回に先制できたのがその後の流れにつながった」と安部秀隆監督は夏の初戦で9安打10打点とノビノビとプレーした選手たちに目を細めた。 偉大な先輩の活躍が選手の励みになっている。カブスで7勝と活躍する今永昇太は野球部OB。奇しくも今永の登板日と同じ日、この夏の初勝利を挙げた。「今永さんは憧れです。活躍は自分たちの励みにもなります」と藤井晴琉主将(3年)ら後輩は海の向こうでメジャーリーガーを相手に力投する先輩に注目している。 昨春のWBC(ワールド・ベースボール・クラシック)の後、今永から後輩にうれしいプレゼントがあった。侍ジャパンで使用していた用具を入れるキャリーバッグを「後輩たちに使ってもらえれば」と野球部に寄贈してくれたのだ。白石始部長のもとに連絡が入り「ありがたく使わせてもらおうということになりました」(安部監督)と昨年から「JAPAN」の文字が入ったキャリーバッグを使っている。「WBCで使っていたバッグなんで、なんか空気を感じます」と藤井晴主将も選手も大喜び。さらに学校には先輩から贈られた侍ジャパンのユニホームがショーケースに入って飾られている。 先発して3回を2安打無失点に抑えた2年生左腕の橋本陽向は「最近調子が良かったので先発を任されました。今永さんは同じ左だし、憧れで動画やテレビでフォームを見ています。今永さんみたいなストレートを投げたいと練習しています」。160センチ60キロの小柄な左腕は大先輩に少しでも近づこうと練習に励む。 海の向こうで活躍する先輩に母校の奮闘を届けたい。「目標は甲子園に行くことです」と藤井晴主将は大きな声で目標を挙げた。(前田泰子)
西日本新聞社