富山、石川RCが奨学金 被災受験生260人に、返済不要
●総額1億6200万円 富山、石川のロータリークラブ(RC)で構成する「国際ロータリー第2610地区」は12日までに、能登半島地震で被災した大学進学希望者向けに返済不要の奨学金制度を設けた。義援金を原資とし、総額1億6200万円を計260人に給付する。住まいの再建や保護者の収入減少など経済的な理由で進学を諦めるケースが想定される中、使い勝手の良い制度で被災高校生らの夢を後押しする。 「ロータリー希望の翼奨学金」は、大学、短大、専門学校への進学を目指す富山、石川の高校3年生と卒業2年以内の既卒者を対象とする。2年間に1人当たり60万円を給付する計画で、今年度に120人、2025年度に80人、26年度に60人を募集する。 第2610地区代表の大橋聡司ガバナー(宇奈月RC)によると、両県の63クラブでつくる同地区には地震後に3億円を超す義援金が寄せられており、それら善意を活用することにした。大橋ガバナーは「進学を断念したり、ためらったりする生徒が増えるのではないか」と指摘。「能登の将来を担う若者の夢を諦めさせてはいけない。彼らをサポートすることで復興、発展に貢献したい」と話した。