【りんごの日本一の産地・青森弘前】 ブランチにもぴったり「シードル」を 国内発祥の地、弘前でディープに体験
アサヒビール、ニッカウヰスキー、青森県弘前市、さらにJTBが連携して実施する「ひろさき援農プロジェクト」。青森県産のりんご産業を活性化するための取り組みと、その一環として、りんごを原料とするお酒「シードル」を手掛ける人々や企業の熱い思いをご紹介。 【画像】kimori シードル。左からドライ、スイート、ハーベスト(収穫期限定)。酵母の「弘前大学白神酵母」は、世界遺産白神山地のブナの樹皮や落葉から培養したもの。
パンパンに張った果汁ほとばしるりんごが、たわわに実る姿に感動!
秋から冬に旬を迎えるりんご。その愛らしい姿、甘くみずみずしい味わい、シャキッとした食感に、りんごは近年、国内だけでなくインバウンドにも人気のフルーツです。 日本のりんごの約63%が青森県産、そのうち約半分を生産している弘前市において、高齢化や人口減少による農繁期の人手不足は大きな社会問題となっており、農業の現場を支援する取り組みが急務となっています。 そこで、アサヒビール、ニッカウヰスキー、青森県弘前市、JTBが連携してりんご農家をサポートする「ひろさき援農プロジェクト」を企画し、地域外の住民や企業などにボランティアを募ることに。このプロジェクトは参加者が1日かけてりんご収穫にまつわる農作業を手伝う内容で、今年の10月から週末の日帰りコースが実施されることになりました。 10月半ばに訪れた高橋哲史さんが営むりんご園は、真っ赤なシナノスイーツ、ほんのりピンクのふじ、グリーンの王林など6品種のりんごを育てています。秋に収穫時期を迎え、木々の枝はたくさんのりんごの実をぶら下げていかにも重たそう。 収穫後に姿かたちから目視で選別し、生食用、シードルやジュースなどの加工品用に分けて産地市場に出荷。まずは果実に傷がつかないように、実を持ち上げながら枝と軸(果梗の先端)の接続部に指を当て、丁寧に収穫します。軸が外れてしまうと、商品価値が下がってしまうそうです。 傷のない見目麗しいりんごと、鮮度も抜群で味も品質も引けを取らないのにも関わらず、いくら気をつけて作業しても傷が付いたり軸が外れたりする選別外のりんごは出てしまいます。そんなりんごを使ってシードルなどの加工品を作ります。 りんご栽培は1年を通しておこなわれ、秋にひとつひとつのりんごを収穫するまでに、日々の作業と熟練の技術が不可欠。特に1~3月におこなわれる整枝、せん定の作業が最重要なのだそうです。その後、6~7月に3~5株にひとつだけ果実を残す「摘果」という作業をおこない、さらに果実の色や貯蔵性を高めるために袋をかけ、葉を摘んで果実を回転させるなどして色づきを促して、ようやく収穫。気の遠くなるような作業と重労働を経ておいしいりんごができあがるのです。