高速代が「安くなる」のに「ETC 2.0」なぜ普及しない? 「普通のETC」よりメリットあっても“恩恵”感じない人が多いワケ
「ETC 2.0」って何?「普通のETC」から変更しない理由
高速道路の料金所をスムーズに通過できるシステムとして「ETC」が広く普及しており、高速道路を通行する人の9割以上が利用しています。 そしてそんなETCの次世代バージョンとして「ETC 2.0」も運用されています。 【画像】「えっ…!」これが「2030年に使えなくなる」ETC車載器の見分け方です(15枚)
従来のETCは、高速道路を利用する際の手軽さが魅力です。一方、ETC 2.0はETCの機能に加えて、車両と道路の双方向通信による多彩な運転支援が可能となりました。 ETC 2.0ではクルマの位置情報や経路情報を収集し、急ブレーキを踏んだ箇所や走行速度などの情報から危険な箇所を抽出。効率的な交通安全対策を可能としています。 収集したデータは「車両運行管理支援サービス」として企業向けに情報提供されています。 特に物流業界は、運送車両にETC 2.0を導入することでこの支援を活用。道路状況の把握や車両の到着予定時間の算出に利用し、業務効率化や生産性の向上を実現しています。 また、災害時には被災地エリアの走行実績から通行可能な道路を割り出すことでき、避難経路の選定や救援活動に活用するなど、災害対策にも役立てています。 このように従来のETCから発展させたETC 2.0ですが、運用開始してから現在までの導入率は約34%と、決して普及しているとはいえない状況です。 国土交通省が発表している「ETC利用状況」では、2023年12月時点でETC普及台数が812万台なのに対し、ETC 2.0の利用台数は281万台でした。 ETC 2.0が普及しない大きな理由のひとつとして、一般的なドライバーが恩恵を感じる場面が少ないことが挙げられます。 というのも、日常的に運転している物流業界や運送業界の人は、運行中に道路情報を把握できるETC 2.0の機能にメリットを感じているのに対し、サンデードライバーのように、たまのレジャーでしか高速道路を利用しない人では「普通のETCで十分」と考えられているからです。