中国の米農産品敬遠、政治的報復が一因の可能性-米農務長官
(ブルームバーグ): ビルサック米農務長官は9日、中国がブラジル産トウモロコシ・大豆を選好しているのは、最近の米農地所有制限に対する報復が一因ではないかとの見方を示唆した。
アーカンソー州が中国化工集団(ケムチャイナ)傘下の農薬・種子メーカー、シンジェンタに対し、州内の160エーカー(約0.65平方キロメートル)の農地売却を命じたことについて、中国の農相が最近、言及したと同長官は語った。
アーカンソー州のサンダース知事(共和)は州内の農地を特定の外国企業が所有することを禁止する法律に署名したが、今回の農地売却命令はこの法律に基づく初の強制措置だった。これについてビルサック長官は、中国に一貫して厳しい態度で臨む米国の措置の一環であり、こうした措置は米国産農産物を拒否する中国の動きを促してきたと指摘した。
同長官はインタビューで、「今年度第1四半期の貿易赤字は60億ドル(約9100億円)で、中国の輸入は1年前から60億ドル減った」と発言。「なぜだろうか。ブラジルだけなのか、それともそこに中国の農相が私にシンジェンタについて尋ねた理由があるのだろうか」と語った。
その上で、シンジェンタの話がなぜ取り上げられたかと言えば、「警告」になるからだと述べた。
ワシントンの在米中国大使館に9日、電子メールを送付したが、すぐに返答はなかった。
原題:US Says China Spurning Farm Exports May Have Political Slant(抜粋)
--取材協力:Gerson Freitas Jr、Tarso Veloso.
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Michael Hirtzer, Kim Chipman