ニコール・キッドマン、母の訃報でベネチア映画祭の授賞式を欠席
ニコール・キッドマンが、ベネチア国際映画祭で主演女優賞を受賞したのにもかかわらず授賞式への出席を断念したと、米ピープルなどが報じている。母ジャネル・キッドマンさんの訃報を受け、家族のもとへ駆けつけるという決断を下したのだ。 キッドマンは最新作「ベイビー・ガール(原題)」での演技が高く評価され、ベネチア国際映画祭で主演女優賞に輝いた。しかし、その栄誉に沸く間もなく、最愛の母の死去という悲報が彼女を襲った。 「ベネチアに到着してまもなく、私の美しく勇敢な母、ジャネル・アン・キッドマンが亡くなったことを知りました」と、キッドマンは声明で述べた。この声明は、「ベイビー・ガール(原題)」のハリーナ・レイン監督によって授賞式で代読された。 キッドマンは声明の中で、深い悲しみと母への愛情を吐露。「私はショックを受けており、家族のもとに戻らなければなりません。しかし、この賞は母のものです。母は私を形作り、導き、そして私を作り上げてくれました」 さらに、「ハリーナを通じて母の名前をみなさまに伝えられることに、この上なく感謝しています。人生と芸術の衝突は心を引き裂くものです。私の心は砕けています」と、複雑な心境を吐露している。 キッドマンは以前から母の健康状態を気遣っており、22年にはオーストラリアに滞在し、母の世話をしていたことを明かしている。ハリウッドで活躍するキッドマンだが、常に家族を第一に考える姿勢を貫いてきた。14年には父アントニーさんを突然の事故で亡くしており、その際も家族の大切さを語っていた。 「私たちの社会では、(親の死について)十分に語られていないと気づきました。誰もが両親を亡くすのは辛いことです」と、当時のインタビューで心境を吐露している。今回の出来事でも、キッドマンは家族の絆を何よりも大切にする姿勢を示した。世界的な映画祭での栄誉よりも家族を選んでいる。 なお、ベネチア国際映画祭の主催者は、キッドマンの決断を尊重し、「このような困難な時期に、私たちの思いは彼女とその家族とともにあります」とのメッセージを発表している。