メジャースカウトの極秘メモが示す「グリエルはセペダより上!」
グリエルは、「キューバの至宝」とも呼ばれた逸材で、メジャースカウトはジュニア時代から徹底的にマークしてきた。セペダも20年以上に渡ってキューバのナショナルチームの中心にいた人物だが、やはりグリエルの若さとスピードが高く評価されている。セペダは、すでに日本野球への対応に苦しんでいるが、「グリエルも」と考えるのは早合点で、グリエルこそ、本物のアマチュア最高のキューバを代表するスラッガーなのだ。 過去にキューバの選手は、何度か、プロ野球や社会人チームに派遣されていた。日本野球連盟会長の故・山本英一郎氏の尽力で、オマール・リナレスが中日へ、オレステス・キンデラン・アントニオ・パチェコが、いずれもシダックスに来たが、すでに選手としてピークを過ぎていて、目の覚める活躍はできなかった。その意味で、ピーク時に派遣された選手としては、グリエルが初。それだけに至宝に寄せられる期待は大きい。 横浜DeNAは、セカンドで起用する予定でいるが、セカンドだけでなく、サードもショートもできるのが特色。バルディリスの調子が落ちれば、サードでも使えるだろう。ただ、横浜DeNAは、野手にはブランコ、バルディリスと、すでに2人の外国人がいて、グリエルを使えば、今度は、モスコーソ、ソーサという投手の外国人枠が使えなくなる。登録抹消をうまく活用しながら、外国人枠をどう使っていくか。高田GMは会見で「投手力も弱いが、打てない、得点ができないというのが、今の厳しい状況を招いている。キューバで最高の選手。活躍を期待している」と語ったが、現場の選手起用に関するマネジメント能力も試されることになる。チームへの刺激も含め、嬉しい悲鳴となるのが、理想ではあるが……。グリエルは、ファームの試合に2試合出場した上で、6日の日本ハム戦でデビューする予定だ。 (文責・本郷陽一/論スポ、アスリートジャーナル)