【木村和久連載】変化しつつあるメンバーコース 団塊世代の引退&少子化加速による影響とは?
(1)名称と格式の問題 メンバーシップコースとしては、やはり「カントリークラブ」「ゴルフ倶楽部」という名称を使いたいんですよね。パブリックでもカントリークラブと名乗るコースも一部ありますが、通常パブリックの場合は「○○ゴルフ場」や「○○ゴルフコース」という名前になります。そうなると、格落ち感は否めません。 所属する組織も、メンバーコースなら「○○ゴルフ連盟」なる組織に入り、他のメンバーコースとの交流はもちろん、倶楽部対抗戦をはじめ、数々の競技に団体や個人で参加できます。 パブリックコースでもそういう組織はありますが、やや慎ましいですかね。 そもそもメンバーコースでは、メンバーの愛着度が違います。だって、メンバーは「ホームコース」って言うじゃないですか。自分がお金を払って買った"我が家"みたいなものなんですよ。 (2)メンバーによる運営の魅力 倶楽部運営は、理事長を理事や委員のなかから選び、その下に各種委員会を置きます。そうして、コースのメンテナンスから、クラブ競技、レストランのメニュー選びまで、倶楽部が自主運営します。それゆえ、何億円というお金が動きます。 それは、マンションの管理組合と少し似ていますかね。数千万円かけた大規模な修繕工事とか、あるでしょ。その予算規模、業者の選定などを理事会で決めるわけです。 以前、名門倶楽部のコース委員会に話を聞いたことがあるのですが、「何億円をかけて、自分たちが好きなようにコースを改造できるのはすばらしい。メンバーに対して責任がある一方で、それは非常に楽しい作業でもある」と言っていました。 そもそもメンバーはみんな、ゴルフが趣味なわけでしょ。各委員はそれらの意見をまとめつつも、好きなようにコースを改造したり、新しいカートを導入したり、レストランで食べたいメニューを加えたりと、自分たちの社交場を変えられる。これぞ、メンバーシップ倶楽部の醍醐味じゃないでしょうか。