〔NY外為〕円、154円台後半=一時34年ぶり安値(23日)
【ニューヨーク時事】23日のニューヨーク外国為替市場では、対ドルで円の下値を試す動きに一時1ドル=154円88銭まで下落し、1990年6月以来約34年ぶりの安値を更新した。午後5時現在は154円78~88銭と、前日同時刻(154円80~90銭)比02銭の円高・ドル安。155円の節目を目前に、政府・日銀による介入警戒感が高まっている。 朝方は介入への警戒感から神経質な展開が続いたものの、その後は米経済指標や米債入札結果を受けて、やや不安定な値動きになる場面もあった。 S&Pグローバルが午前発表した4月の米製造業購買担当者景況指数(PMI)速報値は49.9と、4カ月ぶりの低水準。同月のサービス業PMI速報値は50.9と、5カ月ぶりの低水準となった。いずれも予想外に景気鈍化の兆しを示唆する内容と受け止められ、米連邦準備制度理事会(FRB)による利下げ先送り観測が幾分後退。市場は円買い・ドル売りで反応し、円は一時154円台半ばまで上昇した。内容が消化されるといったん指標発表前の水準付近まで戻したものの、米財務省が午後発表した2年債入札結果で堅調な需要が確認されると、改めて円買い・ドル売りが優勢になった。 ただ、日銀の金融政策決定会合を25、26両日に控え、取引終盤は様子見姿勢が広がった。週後半に発表される1~3月期の米国内総生産(GDP)速報値や3月の米個人消費支出(PCE)物価指数を見極めたいとの思惑も強かった。 ユーロは同時刻現在、対ドルで1ユーロ=1.0698~0708ドル(前日午後5時は1.0648~0658ドル)、対円では同165円62~72銭(同164円91銭~165円01銭)と、71銭の円安・ユーロ高。