ブラック保育園はどうやってつくられる? 根本的な解決策は?
保育施設を利用している保護者の方々からしばしば施設に要望や苦情をいただくことがあります。モンスターペアレントという言葉が世に出てから、施設に対して言いたいことがあっても自重するような方もいるようにも思えます。保護者と保育施設のコミュニケーションがうまく行かないとよい施設もできないでしょう。 苦情には利用者が正当な権利を主張するクレームと言いがかりやいちゃもんのようなコンプレインがあります。 いわゆるモンスターペアレントと言われる方々は、後者のコンプレインを施設に申し立て困らせるような人たちのことです。最近は利用者や消費者の方が自分たちは神様だと思い込み、何でもかんでも思ったことを施設側に要求し、それがトラブルに発展することがあります。そういったことは保育業界に限った話ではなく、社会のいたるところで頻繁に起こっているように感じます。
子どもを預けることは、他人に自分の子どもの命を預けること
こういった現象は利用者や消費者の「当たり前」のレベルが高くなって来ているからだと考えられます。保育施設に子どもを預けるということは、大げさに言うと他人に自分の子どもの命を預けるということです。 朝、預けたときに元気だった子どもが、夕方、迎えに行ったとき元気に戻ってくることは保障されていることではありません。事実、保育施設で園児の死亡事故は毎年起きていますし、死亡事故まででなくても職員による虐待行為などで故意に傷つけられる園児もいます。つまり、預けた自分の子どもが無事に帰ってくるのは当たり前のことではなく、小さな奇跡の積み重ねなのです。 朝、子どもが預けられてから、夕方、子どもを無事に保護者に帰すまでに、保育施設の職員は色々なことに気を配り、少ない人数で多くの子どもたちをできる限り安全で快適に預かるように努めています。これはプロとして当たり前にしなければならないことなのですが、保護者としてはありがたいと感謝すべきレベルなのではないでしょうか。 そもそも保育施設は「最大多数の最大幸福を追求する」ための施設です。特定個人の要望を最大限かなえるような施設ではありません。保育施設には細かい苦情や言いがかりをつけるより、嬉しかったことやありがたかったことを感謝の言葉として伝えた方が、保育施設も保育士もよい方に変わると思います。