相撲がしたくても土俵がない…危機感募らせる元横綱は「スター力士が必要」子供の相撲離れ進む
大相撲の土俵では熱い取組がファンを魅了していますが、一方で取り巻く環境を見ると子供の「相撲離れ」が進んでいて、関係者は危機感を強めています。 【写真で見る】危機感募らせる元横綱 子供の相撲離れ進む
相撲好きな子供はいるが・・・限られる稽古場所
福岡市中央区を拠点に活動する「住吉相撲クラブ」。未就学児から小学6年生までの10人が週に1度、稽古をしています。 参加する子供「相撲の朝稽古を見に行ったときに照ノ富士から抱っこされたときから相撲が好きになってそれでずっとやりたくて」 (Q.いつまでやりたい?)「力士になるまで」 子供「力持ちですごいなって」 子供「楽しい。大人になるまで続けて行きたい」 福岡市にある相撲のクラブチームは1つだけ。「住吉相撲クラブ」には福岡市だけでなく周辺の自治体からも子供が通っています。
車で片道40分かけて通う男の子「力士になるのが夢」
糸島市に住む小学5年の池松玄太くん。父親が運転する車に乗り片道40分かけて稽古に参加しています。 池松 玄太くん「お父さんがテレビで相撲を見ていて、面白そうだったからやってみたら面白かった。力士になりたい」 玄太くんの父親 池松 健さん「近くにクラブが無いからですね。したいとずっと言っていたけど、無いからできないねと言っていた。ここならなんとか週に一回ぐらいなら連れて来られるかなと」
中学生になるとさらに進む相撲離れ 今年の新弟子合格者数は過去最少
池松くんの夢は、力士になることですが、住んでいる糸島市、そして県全体を見ても中学校に相撲部はありません。受け皿となるクラブチームでも中学校に入学するタイミングで相撲をやめる子供が多いといいます。「住吉相撲クラブ」の中学生の部も2年前から休止が続いています。 住吉相撲クラブ 八納 正英コーチ「中学校に上がっちゃうと部活動が学校である。福岡はラグビーとか野球とか柔道とかレベルが高い。身体が大きい子はそちらに流れてしまいがち」 中学体育連盟によりますと20年前、部活動で相撲をしていた中学生は全国で1484人でした。現在は、半数以下の655人まで減少しています。ジュニア世代の相撲離れは、大相撲の力士を志す若者の減少に直結します。今年の年間の新弟子合格者数は、53人にとどまり過去最少となりました。「若貴フィーバー」で空前の大相撲ブームだった1992年の223人と比較すると4分の1以下となっています。