阿知須でひなもんまつり始まる【山口】
第20回阿知須のひなもんまつりが、山口市阿知須の旧中川家住宅「いぐらの館」や商店街で開かれている。ちりめんや古布、着物の端切れで作った色鮮やかなつるし飾りや布小物が来場者を楽しませている。同実行委員会主催。12日まで。 ひなもんは、福岡県柳川市のつり飾り「さげもん」とひな祭りの「ひな」をかけたもの。色彩豊かな丸みを帯びた子どもやツルなどの縁起物の飾りをつるす。7個で一列にした飾りを下げ輪に7列結び付けて、真ん中の大きなまりと合わせた計50個の飾りで人生50年を表現し、長寿を願うとされる。 阿知須の街並みを彩ろうと、ひなもん教室の緒方勝子さん(88)と藤本慶子さん(86)が同商工会と協力して2002年に製作を始めた。05年からイベントとしてひなもんまつりを開催。今年も同教室などのグループや個人が、店舗や民家、公共施設など20カ所に約5000点を飾っている。 同地域出身の小説家、中野真琴の長男、茂樹さん宅では、ひなもんの会(須﨑晶子会長)の会員らのつるし飾りと細工物計100点以上が並ぶ。戦争鎮静への願いを込めたツルなどの伝統的なひなもんとは異なる飾りが来場者の目を引く。 いぐらの館ではひなもん教室の会員らの作品が展示されている。長寿を意味する曲がったエビ、座る赤子、手をつなぐ赤子同士、金魚、亀などの愛らしい姿が会場を華やかにし、来場者が熱心に写真に収めていた。 緒方さんは「ひなもんのかわいい色合いで元気を出してもらえれば。見るだけでなく作ることにも挑戦してほしい」と話した。 ひなもんの展示時間は午前9時半~午後3時半。イベント開催中にはスタンプラリーやキッチンカーの来場もある。