『キャシアン・アンドー』のショーランナー、ディズニーはシーズン2に関して何の指示も出さなかったと明かす シーズン1の成功で自由な制作が可能に
『キャシアン・アンドー』のショーランナー、ディズニーはシーズン2に関して何の指示も出さなかったと明かす シーズン1の成功で自由な制作が可能に
2022年に配信が開始された『キャシアン・アンドー』は“前日譚の前日譚”を描く内容で、当時Disney+で配信されていた「スター・ウォーズ」のドラマのなかでもあまり注目されていないほうの作品だった。だが、『ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー』の以前にキャシアン・アンドーが経験してきたことを赤裸々に描写したことから、大好評を得て、広く称賛され、エミー賞にもノミネートされた。 「キャシアン・アンドー」画像・動画ギャラリー こうした批評家からの絶賛により、ショーランナーのトニー・ギルロイは、待望のシーズン2でさらに自由に動けるようになったようだ。Empireの特集記事では、高い評価を受けたことにより「シーズン2に向けて大きな勢いと重要な利点を得た。これは称賛がなければ得られなかったであろうものだ」と記されている。 「ディズニーが本作の予算をどうにか納得するのに、本作に対する批評家からの評価は不可欠ではないにしても、大きな効果をもたらしました」とギルロイは語っている。確かに予算は高額なもので、シーズン1はなんと2億5000万ドル(現在のレートで約387億円)もかかったと言われている。 しかし、さらに驚きなのは、ディズニーが本作に対して干渉しないというアプローチを取っているらしいことだ。これは、今日のハリウッドにおける大型IPでは非常にまれである。実際、ギルロイは「本作に関して指示はもらったことがありません」と述べている。 「クリエイティブ面に関して、“それは言うべきではない”ということは誰からも言われていません」とギルロイは語った。 「スター・ウォーズ」のクリエイティブ面における干渉については長年にわたって噂が流れており、それは伝統的なスタジオ・システムに対してジョージ・ルーカスが不信感を抱いた頃にまでさかのぼる。そして、賛否両論だった『スター・ウォーズ/スカイウォーカーの夜明け』の公開後には、「JJカットを公開せよ」運動が活発化。ファンは、ディズニーが公開を拒否した3時間バージョンの同作がどこかに存在していると主張していた(ディズニーも監督のJ・J・エイブラムスもディレクターズカット版とされるものの存在を認めていない)。 ギルロイによると、制約になったものはスタジオからの干渉ではなく、「経済的な問題、可用性の問題、制作上の問題、そして新型コロナウイルスとストライキ」だったという。本作は昨年のストライキによって大きな影響を受けた作品の1つで、シーズン2の制作が終了するまであと数週間というところで、全米映画俳優組合(SAG-AFTRA)がストライキを呼びかけた。 度重なる延期を経て、『キャシアン・アンドー』シーズン2は、米国のDisney+で2025年4月22日より配信が開始される。シーズン1はIGN USのレビューで9点を獲得。「巧みな技で構築され、政治的な要素を含むスパイスリラーに仕上がった『キャシアン・アンドー』は、今年最高のドラマシリーズのひとつだ」と評された。
Alex Stedman