米認知症治療薬、FDA諮問委が有効と判断-リリーの「ドナネマブ」
(ブルームバーグ): 米食品医薬品局(FDA)の諮問委員会は10日、米医薬品メーカー、イーライリリーが開発するアルツハイマー型認知症治療薬「ドナネマブ」について、ベネフィットがリスクを上回ると判断した。市場投入に向けた長い道のりが終わりに近づいた。
11人で構成される諮問委は、ドナネマブがアルツハイマー型認知症の初期段階の患者に有効であり、ベネフィットがリスクを上回ると全会一致で判断した。FDAはドナネマブに関し、年内に最終決定を下す見込み。10日の米株市場でリリーの株価は1.8%高で終了した。
リリーのアルツハイマー病治療薬、FDAは範囲を限定した承認を検討
ドナネマブが承認されれば、エーザイと米バイオジェンが共同開発し、米国で昨年承認された「レカネマブ」(商品名レケンビ)と競合することになる。レケンビの商用化は想定より遅れているが、いずれも病状の進行につながるとされる有毒タンパク質「アミロイドベータ」を取り除き、臨床試験で病状の経過を有意に変化させた最初の薬だ。
エーザイとバイオジェンのアルツハイマー新薬、FDAが正式承認 (4)
リリーの試験では、アルツハイマー型など認知症の原因となるタンパク質「タウ」が脳内に全くないか、低レベルの患者は除外されており、ドナネマブがどの程度広く使用される可能性があるか疑念を生じさせる。
ドナネマブはFDAが2023年に迅速承認を見送るなど、市場投入が遅れている。
イーライリリーのアルツハイマー病薬、迅速承認を見送り-米FDA
原題:Lilly Alzheimer’s Drug Seen Effective by FDA Advisory Panel (2)(抜粋)
(c)2024 Bloomberg L.P.
Damian Garde, Fiona Rutherford, Jessica Nix