ドアラが全米進出!?“ドアラ先生”新作の日米同時配信の狙いとは?/愛知
ドアラがついに世界へ進出だ。中日ドラゴンズの人気マスコット、ドアラ著の連載エッセイ『さいふをなくした』(PHP研究所発行)が、18日に電子書籍にて日米同時にリリースを果たした。ドアラが誕生して20周年を記念してのスペシャル企画で、第1話の「さいふをなくした」にはじまり全4回にわたる書き下ろし連載。マスコットキャラクターとしてまたも新たな境地を切り開き、紀伊國屋書店ウェブストアにて、ランキング1位をキープ、Kindleストア(Amazon)のエッセー・随筆ランキングも1位、iBooks(Apple)でもスポーツジャンルで1位を記録するなど早くも話題沸騰中で、25日に一挙リリースされる予定の第2話以降が心待ちにされている模様だ。
■マスコットが執筆!?処女作がブレイクの火付け役に そもそもドアラの作家デビューは6年ほど前の2008年。『ドアラのひみつ~かくさしゃかいにまけないよ~』(PHP研究所)が処女作であり出世作だ。「プロ野球球団のマスコットキャラクターが自分で書いて本を出す」という画期的な“発明”にドアラファンは熱狂し、ドアラブームを一層盛り上げる火付け役となった。企画・編集を担当したのは今回の新作と同じく、PHP研究所の太田智一さん。「ドアラの素の部分をそのまま伝えるだけで、十分に面白いと確信していました」。ドアラに対する大きな愛情と放任のバランスが見事な名作となり13万部というヒットを記録。第2弾の『ドアラのへや~かくていしんこくむずかしい~』の出版へとつながった。さらに2012年2月には『コアラ坂』を電子書籍のみで配信して話題を集めている。
■“あるある感”が魅力のドアラ、その作家性 上記4作の企画・編集をすべて手掛けてきた太田さんは、ドアラの魅力について次のように語る。「ドアラさんが持つ“あるある感”というのでしょうか、近くにいそうで親しみやすいキャラクターだと思いますね。そうは言っても彼は“アイドル”ですから。近くて遠い、遠くて近い、その距離感が魅力なのでは」。休日に何もせずに家でダラダラすることを好んだり、将来が不安で気になる漢字が「起業」だったり、自分の若さを鏡で確認してみたり…。たしかにこれまでの著作に出てくるドアラのキャラクターはいかにも等身大。そう、誰の中にもきっと“ドアラ”はいるのだ。 すでに配信されている新作の第1話目にしても「さいふをなくした」というタイトル通りの内容がそのまま語られる実にシンプルなもの。全米進出への気負いなど一切感じさせず、そこにあるのはいつもと変わらない妙な脱力感。それでも身の回りで起こった日常の出来事をオリジナリティあふれるドラマに昇華している点に、ドアラならではの魅力と作家性が垣間見える。「原稿には極力手を加えないようにしています。ドアラさんの場合はありのままが一番おもしろいので、周りが作っては絶対にダメ。ほかの書き手さんなら修正すべき間違いをそのまま生かすこともあります。もちろんフォローはしますけど(笑)」。ちなみに第2話はシリアスな内容になりそうとのこと。「最終話ではいかにもドアラさんらしいお話が繰り広げられます。ボリュームも増えていきますのでお楽しみに」。