京都×島根の食材から生み出すクリエイション! 実力派店主による繊細な味わいを京都・烏丸御池で満喫して
教えてくれる人|門上 武司
1952年大阪生まれ。関西中のフランス料理店を片っ端から食べ歩くももの足らず、毎年のようにフランスを旅する。39歳で独立し「株式会社ジオード」設立後はフードコラムニストというポジションにとどまらず、編集者、プロデューサー、コーディネーターとマルチに活躍。関西の食雑誌「あまから手帖」編集顧問であり、全日本・食学会副理事長、関西食文化研究会コアメンバー。著書には「食べる仕事 門上武司」「門上武司の僕を呼ぶ料理店」(クリエテ関西)、「京料理、おあがりやす」(廣済堂出版)、「スローフードな宿1・2」(木楽舎)、など。年間外食は1,000食に及ぶ。
島根の食材に京都の水や食材を融合
地下鉄烏丸御池駅から徒歩約3分。室町通沿いにあるモダンな黒い建物「IDO KYOTO」の2階に、今年8月、レストラン「しろ」がオープンした。「IDO KYOTO」は食、茶、アートの複合施設で、施設中央には井戸があり、どの店舗でも地下30mから汲み上げた地下水を利用しているという。
「しろ」のシェフは竹中厚志さん。1988年島根県浜田市生まれで、静岡大学数学科を卒業後、企業で3年働き、料理人へ転身。静岡や東京のイタリアンなどで修業を重ね、30歳で独立。島根県の西部、日本海に面した浜田市に「リストランテ ミアパエーゼ」をオープンした。「ミアパエーゼ」はイタリア語で「私の故郷」という意味で、文字通り故郷で、地元の新鮮な食材を使って丁寧に創り上げられた料理で人気を博した。2020年には某有名レストランガイドに掲載され、JR西日本Twilight Express 瑞風にて料理監修を担当するなど、その活動は多角的だ。
そんな竹中さんが今年、京都へ移転。「都会へ、もっと高みへと挑戦したいと考えました」と話す。店名も「しろ」と一新し、「コンセプトは店名と同じく、何者にでもなれる、余白を大切にする、何もないところから生み出す、などです」とのこと。「料理はイタリアンにこだわらず、島根の豊かな食材をベースに、京都の水や大原や伏見の野菜などと融合させていきたいですね。あくまで素材ありきでシンプルながらも新しいものを生み出し、お客様を感動に導ければうれしいです」