国民宿舎千畳苑を民間譲渡へ 島根県浜田市、2026年4月に
島根県浜田市は、市国民宿舎千畳苑を、2026年4月に民間へ有償譲渡する方針を明らかにした。16年の公共施設の再配置計画で検討するとしていたが、当時の収支状況や新型コロナウイルス禍などにより先延ばししていた。観光客のさらなる呼び込みを図る。 宿泊施設を運営する事業者を対象に10、11月に譲渡先を募り、25年1月に企画提案書を審査。市議会の議決を受けて所有権を移す。宿泊は県外客が目立つ一方、日帰り入浴や食事の客は市民が多く、譲渡から一定期間は営業形態に条件を付ける考えだ。 千畳苑は国府海水浴場の南隣。9308平方メートルに鉄筋コンクリート5階建て延べ3768平方メートルが建つ。和、洋計32の客室があり、大浴場やレストランも備える。旧国府町が1963年にオープンした。合併後の旧浜田市が99年に15億600万円かけて現施設を建設。平成の大合併を経て現在の市が2015年度から1億3千万円かけて大規模改修した。 現在は兵庫県内の企業が指定管理を担う。23年度は宿泊客1万7122人を含む前年度比12%増の計7万6206人が利用。同4%増の2億8800万円を売り上げた。観光交流課は「民間ノウハウでより魅力的な施設にし、市全体の観光客増加につなげたい」としている。
中国新聞社