サイバーエージェント、通期売上8,000億円 「ABEMA」関連は損失115億円→19億円と大幅改善…広告付きプランで成長狙う
サイバーエージェントグループは30日、2024年9月期通期の連結決算を発表。売上高は前期比11.5%増の8,029億9,600万円、営業利益は同70.4%増の418億4,300万円と、主要指標すべてが大幅に増加した。 【画像】ABEMAが新たに始めた「広告付きプレミアム」って何?会員特典を比較&最新のメディア事業動向 主力のインターネット広告事業では、市場成長率を上回る7.6%増の4,363億7,200万円の売上高を記録。AIの活用による生産性向上が奏功し、営業利益は前年同期比21.3%増となった。ゲーム事業においては、新規タイトルのヒットと既存タイトルの運用強化により、売上高が前年同期比9.4%増の1,959億8,500万円、営業利益は同34.6%増の305億6,900万円と好調な業績を収めた。
「W杯全試合無料」巨額投資も回収
また、メディア事業では「ABEMA」関連事業が好調な伸びを示し、売上高は前年同期比21.0%増の1,708億4,900万円に着地。営業損益は19億27百万円の赤字となったものの、前年同期の115億2,300万円の損失から大幅に改善した。 ABEMAでは前期に成長投資の一環として、サッカーW杯の全試合無料生中継を実施。多額の放映権料が発生し一時は四半期で93億円の損失が発生したが、同時にサービス利用ユーザー数も大幅に増加。今期は2度の四半期黒字化を達成、当四半期も競輪サービス「ウィンチケット」の損失を除けば約8億円の黒字となっている。 ABEMAは先日、新たな有料サブスクリプション「広告付きABEMAプレミアム」の提供を発表した。上位会員の半額近い月額580円で「見逃し配信」などの機能を提供することで、広告配信によるマネタイズを確保しつつ、現在割合が小さい課金収入の増大を図る。 2,025年9月期は売上高2.1%増、営業利益0.4%増の見通しを立てている。
編集部 経済・社会担当