声優・諏訪部順一 いつの間にか声優に 演じるキャラクターは“常にオーダーメイド”
■諏訪部順一 役作りは“心の機微をイメージしながら”
『銀河英雄伝説 Die Neue These』は人気作家・田中芳樹さんの長編SF小説を原作とし、数千年後の宇宙を舞台に、2人の天才が率いる銀河帝国と自由惑星同盟、2つの国の抗争を描いた物語です。この作品で諏訪部さんが演じているのが銀河帝国軍の大佐、パウル・フォン・オーベルシュタインです。 ――『銀河英雄伝説 Die Neue These』の見どころは? 宇宙船同士の艦隊戦もCGなどを駆使して、美しく描かれています。それと人間の内面的なものも深く描かれている作品でもあるので、昨今の混迷する実際の世界情勢にもなぞらえて考えさせられるような重厚な作品です。 ――演じたオーベルシュタインはどんなキャラクターですか? オーベルシュタインは目的のためならば手段を選ばないようなタイプで、ダーティーな手を使ってでも目的を遂行するべきというマキャヴェリズムの具現化したような部分もあるんですが、「きれいなところはあなた(銀河帝国軍の元帥、ラインハルト・フォン・ローエングラム)に、ダーティーは請け負いましょう」みたいな部分があったりもします。そういうリアリストなところが僕はすごく気に入っている部分ではあるんです。ただ一人の人間なので、彼の中の感情の表面的には出てこないその心の機微みたいなものも自分の中ではイメージしながら演じています。
■諏訪部順一 演じるキャラクターは“常にオーダーメイド”
――声優として大切にしていることは何ですか? やはり作品やキャラクターと真摯(しんし)に向き合って愛情を注ぐべきだなと、誰よりも愛したいとは思うようになりました。作品を愛してくださっている方たちと可視化するようなイベントも結構あります。イベントにいらっしゃる多くの皆さんが、いや、それ以上の皆さんが作品に愛情とかいろんなものを注ぎ込んでくださっている、大切に思ってくださっているのに、(声優を)やっている自分が“流れ”でやっているみたいなことは、絶対にあり得ないじゃないですか。今SNSなどでご感想とか見させていただくのも多いですし、そういったことをすごく思うようになりました。演じる上でもやはり任せていただいたキャラクターを1個の存在として説得力あるものにしたいなという意識がすごく強くあるので、常にオーダーメイドというか、ワンオフ(一点もの)で類型的に演じるようなことは絶対にしないように常々心がけていることです。