新人王逃すもオリックス古田島成龍に芽生えた自信と気合「1年だけよかったなって言われるのはすごく嫌」【オリ熱コラム2024】
今年のパ・リーグ新人王争いでは武内夏暉(西武)に敗れたとはいえ、古田島成龍はオリックスにとって大きな存在だった。茨城県立取手松陽高、中央学院大を経て社会人の日本通運から昨年のドラフト6位で入団すると、ルーキーイヤーにして50試合に登板し、2勝1敗24ホールド、防御率0.79という驚異の数字を記録。 担当の岡崎大輔スカウトは「気持ちを前面に出した投球スタイルで、マックス152キロのキレのあるストレートと鋭く落ちるチェンジアップが魅力的な投手。1年目からの活躍が期待される即戦力右腕」との評価をしていた通り、古田島は見事この期待に応えてみせた。 今年のオリックスはリーグ3連覇を支えた小木田敦也、比嘉幹貴、山岡泰輔、宇田川優希、阿部翔太、山崎颯一郎、平野佳寿といった鉄壁のリリーフ陣が次々と離脱。ベテランの山田修義、新加入の吉田輝星、新外国人投手のルイス・ペルドモ、アンドレス・マチャドらとともに、古田島はメンバーがガラリと変わったブルペンを支え続けてくれた。 「新人王は厳しい。今は先発の方が有利ですし、候補にあげてもらうだけで、僕は光栄なので。 どうせ武内くんだろうなと」 受賞を逃した新人王についても、このように前向きに捉えていた古田島。ただ、シーズン50登板をクリアしたことによる疲労はさすがに大きかったようだ。 「シーズン終わって、ちょっとオフはさんで、キャッチボールもしたんすけど、 想像以上にそこまで(疲れが)抜けてないなっていう感覚があって。肩、肘っすね。トレーナーさんと相談したんですけど、やっぱまだちょっと硬さがあるし。ちょっとコーチとも話して、リカバリーの方も重点的にやることになりました、正直、今年は良かったっすけど、来年の方が多分どんどんきつくなってくると思うんで。ほんとに何年もやって一流だと僕は思うので、1年だけよかったなって言われるのがすごい嫌なことなので、ほんとに来年どうするかっていうところを、今はすごいいろんなこと考えながらやってます」 2年目のジンクスに打ち勝つため、現在は「疲労を抜くこと」、それに「柔軟性を求める」ことを重点的に、強い体づくりにもいろいろと試しながら励んでいるという。ルーキーイヤーにいきなり飛躍したが「とりあえず毎日毎日必死にやってったっていう結果だったんで。(来季は)いいマインドで入って、隙をなくしていかないとというのがまず僕は思ったところです。他にもいい選手はいっぱいいるんで、どう生き抜いていくかっていうところを考えた上でですが、今年1シーズンを戦い抜けたのは、正直自分の中で自信になりました」 来シーズンは先発も視野に入れながらキャンプインまで準備をしていくという古田島。引退した比嘉幹貴から「35」の背番号を譲り受けて、来季も気迫溢れるピッチングを見せてくれるはずだ。 文⚫︎THE DIGEST取材班 写真⚫︎野口航志