人形に穢れ託し無病息災祈る 一の坂川で「ひな流し」【山口】
山口市の無形文化財、徳地和紙で作ったひな舟を流して、1年間の無病息災を祈願する「ひな流し」が31日、後河原の一の坂川で開かれた。用意された300セットを老若男女が次々と川に浮かべ、春らしい風情を満喫した。山口ひな流し実行委員会(千々松友之代表)主催。 紙で作った男びなと女びなの人形(ひとがた)に穢(けが)れを託して、川に流す行事で、2016年から実施している。舟は陰陽五行にちなんだ緑、赤、黄、白、紫の5色。人形と共に、ツバキや菜の花の花びらも載せ、かわいらしくあしらった。 この日は水の流れが速く、川面に浮かべた舟はあっという間に下流へ流されていった。人々は舟を見送りながら、スマートフォンなどで写真に収めていた。 2回目の参加という大殿小4年の上野未央さんは「ひっくり返らないように祈りながら流した。春から弟も小学生になるので、安全に気を付けながら一緒に登校したい」と笑顔を見せた。 同実行委の益本圭太郎さんは「市民に楽しんでもらえる春の風物詩として始めた。毎年参加してくれる人もおり、だいぶ定着してきた」と語った。 会場では、山口高茶道部の有志が着物姿で抹茶の接待を行った。ひな舟は川下で回収。後日、古熊神社でおたき上げを行う。