【新NISAにも役立つ】 着実な増配が期待できる「配当狙い米国株」8銘柄 日本ではまだ有名でない企業も
新NISA(少額投資非課税制度)では「高配当株」が人気だ。安定的に配当がもらえれば、株価次第で変動する値上がり益よりも、より確実な利益が期待できる。長く保有するのにも向いている。配当に着目するのであれば、米国株のほうが有利とする見方がある。米国企業はもともと株主への還元を重視してきたからだ。 【表】今後も着実な増配が期待できる「米国株」8銘柄はこちら 新NISAでは海外の株式に投資する商品の人気が高い。ネット証券のランキングを見ても、S&P500種株価指数やナスダック総合指数など米国の株価指数に連動する投資信託や上場投資信託(ETF)が目立つ。 足元では米連邦準備理事会(FRB)の利下げ姿勢をにらんで一進一退が続いているが、3月にはダウ工業株30種平均をはじめとする主要な株価指数が史上最高値を繰り返し更新した。 ■世界最大の消費国 米国をはじめとする海外株にも詳しいグローバルリンクアドバイザーズ代表の戸松信博さんは言う。 「米国は世界の覇権国であること、また世界最大の消費国であり、米国でトップを取れば世界のトップにつながるなど、米国株が根本的に強い理由は複数ありますが、現在の株価が強い理由は過剰流動性にあると思います。今は量的引き締め(QT)が進んでいますが、いまだにマネタリーベースはコロナ前の約1.7倍の水準を維持しています。これが株や不動産、仮想通貨などリスク資産の価格上昇の一番大きな原因だと思います」 こうした状況は長い目でみて続く可能性が高いという。 日本株も日経平均株価が初の4万円をつけるなど高値の水準にある。ただバブル絶頂期につけた史上最高値を更新するまで30年以上かかった。日本経済が本格的な成長軌道に乗るかどうかは予断を許さない。
戸松さんは言う。 「米国は国内総生産(GDP)を見ても日本に比べ堅調に成長しています。その米国に属する企業は、日本の企業よりも安定的に成長できる可能性があると思います。また、近年は日本でも企業統治改革が進んできて世界的な資金流入がさらに進む可能性も十分ありますが、米国企業のほうが、利益を出したらきちんと投資家に増配や自社株買いなどを通じて還元する文化なり、枠組みなりが以前からしっかりしています」 新NISAがスタートし、日本でも企業はより個人投資家を意識するようになった。東京証券取引所も上場企業に対し、株価や資本効率を意識した経営をより強く求めている。配当をはじめ株主への還元姿勢を強めるようになった。 ■ずっと高くなる しかし、戸松さんによれば米国企業はもともとそうした姿勢や意識が強いという。新NISAでは個別銘柄への投資にあたって高配当株が人気だが、米国の個別株にももっと目を向けたほうがいいのかもしれない。 そこで戸松さんが注目する米国の高配当株を挙げてもらった(上の表)。ただし、戸松さんは次のように話す。 「私が捉える高配当株の魅力は、見た目の(表面的な)配当利回りが高いということではありません。増配が続いている企業が、今後も増配していくことを加味して考えます。すると10年や20年といった長い目でみれば、その利回りは現在の見た目の利回りよりもずっと高くなる。さらにその後も、同じような期待が持てるということです」