みうらじゅん、仏像ファンとしての一面。廃仏毀釈の逸話は盛られまくり?【私の愛読書】
●「伝」は「あったらいいな」
ー本を読んでいろいろ歴史の真相があきらかになってくると、「あれ?」っと思うことがありますよね。 教科書には載ってませんもんね。仏像を深く知ろうとすると、「伝」に引っかかりますでしょ?「伝・行基作」や「伝・空海作」とかいうね。 ー空海といえば、めっちゃいろんなとこに行ってますしね。 僕が思うに「伝」っていうのは、「だったらいいな」の意味も込められてるんじゃないかと。ロマンですね。その意味ではフェノロサにもロマンがあったんですけどね、この本読むと、ちょっと思ってたことと違うなって。和辻哲郎も白洲正子もひょっとして“伝”を信じて書いたんじゃないかって。ま、ロマンのある話はどこか盛ってると思うべきですね(笑)。 ーロマンがあるのは大事ですよね。 そうは思うけど、この本を読んである程度のことは知っといた方がいいと思いましたね。 ー知ろうとするとどんどん好きになりますもんね。 そうです。嫌いになるどころかどんどん好きになりますからね。それは僕の新刊『通常は死ぬ前に処分したいと思うであろう100のモノ』も同じです。そちらも是非、読んでくださいね(笑)。
取材・文=荒井理恵