補助金請求漏れ7億円超…全額が県民負担の可能性も
福井県は1日の県議会産業常任委員会で、2023年度の漁港整備などへの水産庁の補助金約4億6000万円を請求し忘れるミスがあったことを正式に説明した。18~19年度に整備した高級魚マハタの養殖施設でも同庁に補助金約3億円を18年度に申請し忘れ、交付を受けられなかったと報告。ともに県水産課の事業で、請求漏れは7億円超に上る。
県によると、23年度は漁港の修繕など5件について補助を申請した上で実施した。しかし、補助金を4月末の期限までに請求しなかったため、受け取れない恐れがある。 養殖施設は、マハタの稚魚を生産する目的で小浜市の県栽培漁業センターに整備。その際、水産課の担当者が水産庁などに補助金を申請し忘れ、県が補助金分も負担。「当時は明確な公開基準がなかった」としてミスを公表せず、県議会にも報告しなかった。出席した県議からは、「(ミスは)日常茶飯事なのかという誤解を県民に招きかねない」「公金を扱うという緊張感が欠けている」などの指摘が出た。
稲葉明人・農林水産部長は「県民の税金を他の事業に使えるにもかかわらず、これらに使うとなれば、7億円が県民の(追加の)負担になる」と謝罪した。
別事業でも
県はまた、18年度に保育士などに実施した研修への補助金609万9000円、13年度には県内市町のリサイクル事業を指導、監督した際の事務費への補助金28万7000円について、国に請求し忘れたことも明らかにした。県の財源から充当したという。