致死率30%「人食いバクテリア」患者数過去最多…「劇症型溶血性レンサ球菌」地方でも感染拡大の兆し 症状は?対策は?
▽地方でも感染が広がる可能性はある? 人食いバクテリアは、都会だけで流行している病気ではありません。 山陰両県でも「人食いバクテリア」の感染が確認されています。 島根県では、今年5月までに8件確認されていて、去年1年間の患者数6件をすでに上回っています。 鳥取県では、今年5月までに6件確認されていて、去年1年間の患者数6件と並びました。 鳥取大学医学部附属病院 感染症内科 千酌浩樹 教授 「これは日本全国どこでも広まる可能性がありまして、山陰両県で広まってきてもおかしくないと思います。 実際、現在も「A群溶血性レンサ球菌咽頭炎」の警報が出されています。それほどこの社会の中で、この菌に感染する人が増えているということです。その中のごく一部が、劇症型の溶連菌感染症ということになります」 鳥取県では、去年10月から現在まで「A群溶血性レンサ球菌咽頭炎」警報が発令中で、「A群溶血性レンサ球菌咽頭炎」の定点患者数は、6月時点で3200人以上と、去年の同じ時期に比べておよそ7倍にも増えています。溶血性レンサ球菌、いわゆる溶連菌が非常に身近な存在になっていることが分かります。 ▽対処法は? 鳥取大学医学部附属病院 感染症内科 千酌浩樹 教授 「抗生物質が一番の治療薬なんですが、それが間に合わない場合は、病気の部分を切ってしまうしかないということもあります。この劇症型の場合は、特に菌体の特殊な毒素が全身の臓器に回りますので、集中治療が必要になるということも多いです。 早く対応しないと、時間単位で病気が進んでいきます。 例えば、傷を負った、打ち身がある、非常に筋肉を使った、そういうきっかけがあって、さらにそこに菌が感染して起こりますので、『ちょっと赤いだけでこんなに痛みが出るの?』というほど痛みが非常に強いとか、高熱が出るとか、そういう場合は、躊躇せずにです、病院を受診していただいた方がいいですね」 こうした病気があるということを事前に知っておくことも重要で、普段とは違う痛み、違和感などを感じた場合は、早めに医療機関を受診してほしいといいます。
また、飛沫感染や接触感染を防ぐため、マスク着用や手洗いなどの基本的な感染症対策も有効だということです。
山陰放送