異色の女芸人・足腰げんき教室「体を張る仕事にNGはないです!」
◇コンビ結成の決め手はスタバとマック ――ワタナベの養成所に入った理由は? うちだ 私はワタナベの前に大阪吉本を受けたんです。でも、落ちちゃったんで。 くろさわ 普通、落ちることないらしいです。 うちだ でも落ちたんです(笑)。どうしようと思ってたときに、私、広島出身なんですけど、広島でワタナベエンターテインメントのオーディションがあったので、それで受けました。 ――くろさわさんは? くろさわ 私は社会人をちょっとやってたんですけど、ワタナベの養成所は土日のどっちか1日だけ通えばいいよっていうコースがあったので、ここなら両立できるなと思って選びました。 ――仕事しながら通っていたんですか? くろさわ 毎週、週末だけ通う予定だったんですけど、コロナ禍で仕事のほうがままならなくなっちゃったので、辞めました。 ――お二人は養成所で出会ったんですよね。 うちだ そうです。相方探しイベントもコロナ禍だったのでリモートだったんです。画面にいっぱい人が映ってるなかで、私は一番“普通じゃない女”を探したんですけど、彼女は普通じゃなかったので、チェックを入れてました。 ――一番普通じゃない女を探した(笑)。うちださんから見て、くろさわさんはどんな部分が普通じゃないと感じたんですか? うちだ 他の女の子は“ザ・女の子”っていう雰囲気があったんですけど、くろちゃんはそれがなくて独特だったんです。あと、やっぱり見た目のインパクトが一番大事じゃないですか、くろちゃんはそれがあったんですよね。 ――なるほど、くろさわさんはうちださんに対してどんな印象でしたか? くろさわ 最初はこんな感じじゃなかったんですよ。初めて会ったときも「こんにちは~」みたいな感じで、もっとまじめな印象で、いい人かと思ってました(笑)。 うちだ だって、いきなり初対面の人に変に絡んでいって、組んでくれなかったらイヤじゃない。だから、とりあえず最初は媚びを売って、と思ってね。 ――相方探しイベントのあと、どちらから連絡したんですか? うちだ じつは最初、くろちゃんは別の人と組んでたんです。だけど、そこが解散して、私も他の子とコンビ組みそうになってたんですけど、その子に「やっぱり別の人と組みたい」って言われたんで、二人で会いました。でも、対面で初めて会ったときに小っちゃすぎて、“ミスった~!”と思いましたね(笑)。 くろさわ え~、そんなに(笑)? うちだ そうだね~。私たち身長差20cmあるんですよ。くろちゃんはもっと大きいかと思ってたんですけど、リモートだとわからなかったんで。 ――でも、その差がインパクトにつながってますよね? では、そのときに組んでみようとなったんですね。 くろさわ 私がスタバとマックをおごったら、すぐに組んでみようってなりました。 うちだ 釣られました(笑)。 ◇これをやれないなら解散じゃん! ――相方として、お互いどんなところが魅力だと思いますか? うちだ こんなに自由にやらせてくれるのは、この人しかいないと思うんですよ。あと、本人は自分のことおもしろくないと思って気にしてるんですけど、それを気にしているところも含めて、おもしろいなって思います。それが皆さんに伝わればいいんですけど。 くろさわ うれしいですね。うちださんはおもしろいっていうのはもちろんなんですけど、人とコミュニケーションを取るのがうまくて。初対面の人とかでも距離が近いんですよ。ハグするのかと思うくらいの距離感で話すんですけど、私はグイグイいけないので、それがすごいなって思います。 ――ネタ作りはどのようにしているんですか? うちだ 基本は私が作ってます。最初は台本を書いて渡していたんですけど、 そのやり方だと喧嘩になっちゃうんでやめました。台本があると「あ、違う違う。その言い方じゃなくて」みたいな感じで、ピリついちゃうんですよね。だから、口頭で伝えるようになったんですけど、そこからはめっちゃいい感じです。 ――ネタ作りは雰囲気も大切ですもんね。 くろさわ そうですね。だから、1年目に比べて仲がよくなりました。 うちだ あと、その頃は私が調子に乗ってて。私が一番おもしろいんだから、全部言うこと聞けよ! みたいな、今思えばキモいマインドだったんですよ。「ハムスターを粉々にするっていうネタをやろう」と言ったことがあるんです。もちろん、ニセモノのハムスターでなんですけど、くろちゃんが「かわいそうだからやりたくない」って言い出して。それで、私も「これをやれないなら解散じゃん!」って。 くろさわ いくらニセモノでも、私はかわいそうだと思っちゃって。 うちだ でも、そのタイミングで事務所の先輩が解散したんですよ。それで“そんなに芸歴を重ねても解散するんだったら、今のうちにめっちゃ喧嘩しとこう。これを乗り越えたら、絶対に長く続くでしょ”みたいになって。そんな話を新宿のアルペントーキョーの前でしました。 ――先輩の解散がお二人にとってキーポイントになったんですね。 うちだ はい。初めて「解散」って言葉を口にしました。今となってはハムスターの件も、くろさわさんが正しかったと思いますけど。 くろさわ あのときはめちゃくちゃでしたね(笑)。