熊との共存、未来へつなぐ 対策犬の繁殖や訓練士育成へ、CFで資金募る 軽井沢の「ピッキオ」
軽井沢町で野生動植物の保護管理に取り組むNPO法人「ピッキオ」は、飼育している熊対策犬「ベアドッグ」の繁殖やハンドラー(飼育士兼訓練士)を育成するための資金をインターネットで募るクラウドファンディング(CF)を始めた。人などへの被害を防ぎ、熊の捕殺も抑える長年の活動は効果を上げており、「さらに未来につなげたい」と資金協力を求めることにした。
ベアドッグは熊のにおいを察知する特別な訓練を受け、人里に近づいた熊を追い払う際に出動する。ピッキオは2004年に初めて生後半年の雄犬1頭を米国から導入。現在は2世代目、3世代目と合わせ計4頭が活動している。
CFは、2世代目の「タマ」(当時4歳)が18年に国内初出産に成功した際に続き2回目で、3世代目の「レラ」(5歳)の繁殖に合わせ行う。米国のベアドッグ育成機関から訪れるスタッフ1人と雄犬1頭の滞在費や子犬が生まれた際の適性試験、ハンドラーの育成などで資金確保が課題になっているという。
ピッキオは1998年から熊との共存を目指す活動を始め、2000年以降、熊対策を町から受託している。全国で熊による被害が深刻化する一方、町内の別荘地など人間が常時活動する場所での熊による人的被害は11年以降発生していない。
CFは1口3千円からで、300万円が目標。CFサイト「READYFOR(レディーフォー)」で来年1月末まで受け付けている。目標額に達しない場合は全額返金する。