歌手デビュー30年の相川七瀬さん、古代米「赤米」継承活動に尽力、大学院生として研究も
来年11月に歌手デビューから30年を迎える相川七瀬さんが6日、大阪市阿倍野区のあべのキューズモールでミニライブを行い、30周年に向けて記念イヤーをスタートさせた。ライブではデビュー曲「夢見る少女じゃいられない」や最新アルバム「SPARKLE」の収録曲を熱唱。産経新聞の取材にも応じ、これまでの活動を振り返りながら現在のライフワークや曲に込めた思いについて語った。 「音楽だけではない人間関係ができて、成長させてもらえた。私にとって、すごく大事なことだった」と語る相川さん。その一つが、古代米「赤米」を継承する活動だ。 13年前に音楽祭への出演で訪れた長崎県対馬市で赤米に出合ったのが、きっかけだった。千年以上の歴史があるとされる赤米を祭る神事の継承が危ぶまれていることを知り、その文化を後世に伝えていきたいと考えた。 赤米は対馬市のほか、岡山県総社市、鹿児島県南種子町の3地域のみに残されていることも知り、各地域で田植えや稲刈りに参加。赤米の大使として2市1町の連携やフェスタ、サミット、シンポジウムの開催に携わり、交流を続けてきた。6日のライブには総社市で稲刈りを終えてから駆けつけるなど、音楽活動と赤米の継承を両立させている。 赤米や神道の祭りについて、さらに学びたいと考え、令和2年に国学院大神道文化学部に入学。今年春に卒業し、同大大学院に進学。祭りの継承を研究している。 学生生活が音楽活動にもつながった。箱根駅伝で同期生が走る姿に感動し、作詞した楽曲が「襷をつなげ」。この曲で陸上競技部を応援し、輝く人をテーマに制作した最新アルバムに収録している。 相川さんは10月に島根県で開催された出雲全日本大学選抜駅伝競走を観戦し、国学院大の5年ぶり2度目の優勝を見届けると、今月3日には三重県伊勢市で全日本大学駅伝も観戦。母校の初優勝に立ち会った。 偶然にも当日はプロ野球・横浜DeNAベイスターズが日本シリーズで優勝。横浜ファンの相川さんは伊勢市から横浜スタジアムへ駆けつけ、1日に2度、日本一を見届けるという快挙を達成した。 横浜の選手たちを描き、作詞したのが「Blue Star」という楽曲だ。「『もっとその向こうに連れていって』というフレーズは日本シリーズをイメージしていたので感無量。見えない力を感じた」と振り返る。
来年8月にはプロデューサーの織田哲郎さんと全国6カ所を回るライブツアーが決まっている。さまざまな人間関係に恵まれ、迎える30周年を前に「本当に自分らしい楽曲を作ろうと前向きな状況になっている。今が一番楽しいかな」と目を輝かせた。